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作戦 ーーーーーーーーーーー 作戦 ーーーーー 作戦 ーーーーーーーーー 作戦 ーーーー 作戦 作戦 「作戦。」 作戦 「サカイのおじさんに、夢世界で、闘って勝つ。」 作戦 「トオルとアキラの境を取り除かせる。」 作戦 「夢の世界でドリームマスターに勝つなんて普通に不可能だけど。」 作戦 「“招待券”で精鋭揃えれば、欠片ぐらい希望が見えるかもね。」 作戦 「サカイのおじさん、ミナリアのみんな、呼んでよ。」 作戦 「彼らにも故郷を消しとばした事を謝りたいしね。」 作戦 「じゃ。そういう事だから。」 作戦 「夢世界最強決定戦と行こっか。おじさん。」 作戦 ーーーーー 夢 (夢世界 夢 (数多の戦いが行われたエリア?~?の戦闘地帯 夢 (仮想戦闘都市セントラル 夢 (その 夢 (エリアを区切る四角形の 夢 (外側 夢 (エリアの“境”を切り開いて超えた 夢 (虹色ぐにゃぐにゃ世界 夢 (エリア⑩ 夢 (仮想夢世界ーサカイー ふゆゆ ふゆゆん。゚゚(おててひらひら ふゆゆ ふゆゆん ・゚(雪降りの真似っ子~ ふゆゆ ふゆゆゆゆーん・。゚・。・o゚・。゚・。・o゚♪♪♪ ふゆゆ こんばんわ~ 新人アナウンサーの"ふゆゆ" にゃん。 ふゆゆ 今回はこの…エリア?!? 仮想夢世界ーサカイーにて~~(マイク片手に ふゆゆ ・・・ ふゆゆ よく見たらカメラ無いにゃ? ふゆゆ 観客もいないにゃ? ふゆゆ 夢世界最強エキシビジョンマッチと聞いてやってきたら ふゆゆ なんだこの始末にゃ??? ふゆゆ にゃーーー!!!説明を要求するにゃーーー!!! ふゆゆ コチトラ“先輩”の仕事の誘いを蹴って招待されてるんだにゃ?? ふゆゆ 内容に次第じゃあタダじゃあおかないにゃ!!! サヤマ そうそう。俺サマ達ったら、「理由は知らんがとにかく参加!」状態なのよー? ルルコス …なんだよ。ウルサイなぁ サヤマ 事と次第によっちゃあ・・・ まっ、楽しそうだけど! ルルコス そうだよ。コッチだって事情なんか知らないよ。 タルコス そ~~~~~よね~~~??? タルコス ひっさびさのシャバだもの? 終わらない夢をトコトン楽しまなきゃ損じゃない?? サヤマ あれ?もしかしてルルコスくんの『悪魔』じゃん?? タルコス でもっ、でも! エキシビジョンマッチだってキッチリ楽しんじゃう! それもまた私!!! サヤマ いつの間にか取り返したの!? ルルコス …そうか、その説明もまだだったな。 ルルコス 激しい戦闘の末、なんとかあの戦闘狂レイダー娘から取り戻す……… ルルコス ……予定だったんだけど、 サヤマ ヤバイな~。凄まじい時差ギャップを感じるぜ。俺サマがリアルを充実させてる間に。 サヤマ あれ?……だったんだけど? ルルコス 僕自身に【テセウス】をかけて、僕が僕である事を世界に認めさせて、 タルコス そのあと私が私であるようにルルコスちゃんが【テセウス】の…今風に言うと反転術式を極めてくれて~! タルコス 僕は僕で私は私。それもまた私って事で! タルコス 回収成功後に分離したのよね!!ん~~~我ながら概念チートバトルね! サヤマ ふむふむ。ほうほう。なるほど…… サヤマ 超ミナリア人って感じね!(とりあえず納得した ふゆゆ にゃにゃにゃ??! ふゆゆ さっきからショタと変人のチートな会話が聞こえると思いきや ふゆゆ おまえたちみぃ~~~んな“ミナリア”の生き残りかにゃ!!? サヤマ ははーん。って事は「キミも」だな?(ふゆゆ向いて サヤマ (うーん。女の子はみんなカワイイ!な俺サマだけど……なんか…違うな?地雷直感ってヤツ? ルルコス …まだ居たのか、「ミナリア人」 ふゆゆ にゃにゃにゃにゃにゃんですとー!!? ふゆゆ びっくりにゃ。 サヤマ 揃いも揃ってこの世界に辿り着いてるとはなあ。よっぽど漂流しやすい条件が整ってるのか。 ふゆゆ あの【ミナリア次元】と「ミナリア次元」の衝突を生き延びた奴らがこんなに居たなんてビックリにょ ふゆゆ ふゆゆん。゚゚(おててひらひら ふゆゆ ふゆゆん ・゚(次元の終末に降り注ぐ星屑数多の真似っこ~ ふゆゆ ふゆゆゆゆーん・。゚・。・o゚・。゚・。・o゚♪♪♪ サヤマ へー。【ミナリア】の終わりを知ってるとはなかなか意味深っ子だなぁ(ふゆゆ見て ふゆゆ こんばんわ~ ミナリア史上最強の悪魔の"ふゆゆ" にゃん。 ふゆゆ (にっこりえへへ~ サヤマ ま、そんな子も含め、ミナリア人が揃いも揃ってこの謎虹ドリーム空間に呼び出された。と。 ルルコス なっ・・・? タルコス あらぁ~ん。悪魔乗っ取り済みってワケねぇ~まぁまぁミナリアではよくある話ねぇ。 サヤマ まあ~、宿主と悪魔は自我の奪い合いみたいな所あるからぁ。共存できてるキミらが珍しいまであるぜ。 タルコス 体まで2つに分かれちゃって自立生活の共存は激レアねぇ~! アキラ ーーーそういう事だね。 アキラ (みんなの真ん中に突然現れるカッコつけ金色瞳ショタ ふゆゆ え? サヤマ おっとう?? アキラ やあやあ。みなさまお揃いで。(ニコニコと。 サヤマ 天才サヤマサマの名推理!ずばりキミが俺サマ達を呼び出した黒幕のミナリア人だな!? アキラ さっすがは天才サヤマサマ! アキラ いかにもオレ様が黒幕…クックククク……… アキラ その昔、遠い彼方に存在した次元 アキラ 「ミナリア次元」を滅ぼした張本人だよ。 ルルコス っは?!!!? サヤマ うわ!超黒幕って感じじゃん!? ふゆゆ なんだテメー!!!意義アリにゃ!!! ふゆゆ 「アキラ」!!お前だけのチカラでああなったわけじゃあないにゃ!!! ふゆゆ 「ふゆゆ」と「アキラ」、2人の最強悪魔が闘った結果、ミナリア次元は消し飛んだにゃ!!! ふゆゆ 自分だけの手柄見たいに言うんじゃあないんにゃ!!!なんなら最強はふゆゆにゃ!!! サヤマ えー?何何?チートVSチートのチートトーク?ミナリア人って感じ! ルルコス は???え、っちょ、待ってくれ。は??? サヤマ しかしまあ、事と次第によっちゃあ色々アレですよ? 俺サマ『ヴァース』に手出しされるのは許せないんで。 アキラ 困ったな。オレ様だけのせいって事にしてりゃあいいのに…まさか手柄扱いとは… ルルコス そうだぜ? 今更僕たちを呼び出してなんのつもりだ? ルルコス 次元戦争なら勝手にやっててくれよ! サヤマ 次元破壊ミナリア人が因縁の次元破壊ミナリア人を含めたミナリア人を呼び出して…一体何をしようってんだい? アキラ ・・・ アキラ うん。 アキラ 今日はよくよくよく誤解される日だな…いや。きっとコレもオレ様の性格ゆえの自業自得なんだろうけども… ふゆゆ なーにをごちゃごちゃ言ってるにゃ! アキラ オレ様は今の宿主が大好きでね。乗っ取るつもりもなければ、次元を吹き飛ばすつもりもないよ。 サヤマ いきなり世界破壊宣言しといて誤解も何も無いでしょーって。…んー、でも確かにアレだよなぁ。 アキラ そこの自称…あーえーっと…(女の子悪魔の中ではオレ様の知る限り)最強悪魔の“ふゆゆ”も アキラ 今は次元破壊なんていう物騒な手段じゃなくて、アナウンサーで最強になる…んだよな? ふゆゆ なんでお前が知ってやがるんですにゃ!!?昔からムカつく奴にゃ!!! サヤマ ココって「夢」だしなぁ。夢の中で次元メチャクチャにした所で、只の夢、ってゆー・・・ サヤマ 何?痴話喧嘩は他所でやっていただけます~?? ふゆゆ ちわわんちわわんちわわわ~な話なんてなーんも無いにゃ!! ふゆゆ ふゆゆの隠し計画のヘラヘラ暴露されてムカついてるだけにゃ!! アキラ いや、暴露もなにも…さ… ルルコス ま、待ってくれ。じゃあ結局僕らはなんで集まったんだ…? サヤマ そ。物騒な真実に驚いた所で疑問だけが残ってるナウ! サヤマ あ、ナウってもう古いか?? タルコス そぉよぉ? オルカイルカを繋ぐ鉄道を作ってて同窓会には来れない予定だったのよ? それもまた私? アキラ なうでヤングで最強なキミたちに、 アキラ お願いがあってさ。 アキラ ・・・みんなで一緒に「ドリームマスター」倒そうぜ? ふゆゆ 「夢世界最強エキシビジョンマッチ」開催にゃ!?!!? サヤマ うーん。ノリの良さと好戦に定評のある俺サマでも二つ返事でイエスと言えねー!? ルルコス いや、夢世界で夢のマスター倒すなんて無理に決まってるだろ。 ルルコス そもそも闘う理由は何なんだよ。 サヤマ そうよアキラくん(初対面)!前後関係がだいぶ不明よ! アキラ ………。 サヤマ 「夢世界で夢のマスター倒す」ってのは無性に楽しそうだけど! アキラ ははっ(みんなの反応に笑って アキラ 2つほど通したい意地があってさ。 サヤマ 超ミナリア感あるけど!…ん?意地? アキラ 1つは…宿主と、その子の好きな女の子にちょっとカッコつけたくってさ。その為に無茶する必要があるんだよね。 サヤマ OK!戦るわ! タルコス まぁ!急に話がかわゆくなったわねぇ! ふゆゆ 散々引っ張って「女」かにょ!? サヤマ いいじゃん「女」!人の恋路を邪魔する奴は大地に呑まれて死ぬって言いますもんね! サヤマ 女の子を泣かすなんて男じゃねーぜ!…ってヤツね!(事情は知らないが適当に言っている ルルコス だ、だから待てってみんな! せめて2つ目の理由も聞こうよ!? アキラ 2つ目は…いつもお世話になってる「ドリームマスター」にさ。 アキラ 真に最強のチート野郎達は誰なのか、「ミナリア人」の意地を見せてあげようと思って。さ? サヤマ OK!戦るわ! ルルコス 即断じゃん!? サヤマ いやほら…一つ目の理由も楽しそうだし、二つ目の理由も楽しそうじゃん? サヤマ だったらやるっしょ!ルル真人間コスもそう思わん? ルルコス いや…それは……… ルルコス それは…「夢世界で夢のマスター倒す」ってのは無性に楽しそうだけど…(サヤマサマの言葉を繰り返す タルコス 最強の存在?それもまた私! サヤマ だよな!?ルルミナリア人コスもそう思うよな! ルルコス な、なんだよその名前…!? ルルコス で、でもやっぱそれはその……… ルルコス せっかくコイツらのワケわからない争いに巻き込まれても生き延びた命じゃん。 ルルコス だったらどこまで自分が通用するか……新しい世界だって夢だって、挑戦しないなんて嘘じゃん! サヤマ ははー!熱いじゃーん!(ルルコスの背中ぱしぱしして ふゆゆ ふーーーゆゆん~ ふゆゆ 結局最強は”ふゆゆ“にゃ。 ふゆゆ その事を思い知らせる為になら、 ふゆゆ アンタのお願い。聞いてあげても良いんだからにゃっ?(うるうるオメメでアキラを見つめるにゃん アキラ …ありがたい返事だぜ! ミナリア人ども! アキラ (ーーー金色の瞳が光り、 アキラ (ぐにゃぐにゃに流れる虹がその“流れ”を急速に加速する アキラ (虹の“流れ”は激しさを増して、虹が裂けて、“境”が千切れ、 アキラ オレ様のドリームメンバーは揃ったぜ。 アキラ さあ、ドリームマッチの延長戦と行こうぜ? ドリームマスター! サカイ ・・・・・・・・・ サカイ 良いさ。 サカイ 「ドリームマスターマッチ」 サカイ どこからでもかかってくると良いんじゃないかい? ふゆゆ それっじゃあ最強を決めるに相応しい挨拶をオヂサンに教えてあげるにゃ~~~ ふゆゆ ネーム! フユキ=マフユにゃん!(右手を開いて挨拶 ルルコス ネーム! ルルコス=【テセウス】=ファレロン!(右手を開いて高らかに名乗りあげるフルネーム サヤマ ネーム! サヤマ=ソウスケ!(右手を開いて笑顔で名乗りに続く タルコス ネーム! タルコス=【テセウス】=クレタ!(右手を開いて名を名乗る合図 アキラ ネーム! シロキ=アキラ!(右手を開いて名乗りを上げるミナリア式の戦闘開始サイン アキラ (最後の「ドリームマッチ」が今、始まる
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「ファイア!」 「ギャアアァァァ・・・」 この夜、幾度目かの炎がゴブリンを焼き尽くした。女に先んじて退院してからというもの、毎夜の様にイフリーたんは魔物たちに襲われていた。魔物たちが増えてきているようだった。 これは明らかに異様なことであった。真っ黒なカラスよりも多くの魔物がいるというのに、一切の報道も無ければ、イフリーたん以外が襲われたという話もない。ビブロスとの一件から、イフリーたんは起こってはいけない何かが起こっているように感じていた。 「グオオォォォ」 背後から唸り声が聞こえる。振り返ったイフリーたんの目の前には、一匹のボムがいた。 「参ったな・・・」 ボム如きであるならば、イフリーたんにとっては造作もない相手である。右腕一本で葬り去ることができるだろう。だが、ボムは死に際に自爆する。深夜の住宅街で、自爆させることがいかに危険か、イフリーたんはわかっていた。最悪、2,3軒の家が吹き飛んでしまう。 「グアアァァァ」 ボムはイフリーたんが答えを出すまで待たず、巨大な口を開けて噛み付いてくる。イフリーたんはバックステップで間合いを取りながら答えを探し続けた。何か解決策があるはずだと。 イフリーたんが間合いを取り続けてからかなりの時間が経過したが、イフリーたんはその答えを出せずにいた。この、永遠に続くと思われた鬼ごっこに終止符を打ったのはボムだった。ゴゴゴゴゴ・・・という物々しい音とともにボムが巨大化をし始めたのだ。それは、ボムが自爆をする前兆であった。 「まずいっ」 とっさにイフリーたんはボムを抱え込んだ。体を盾に爆発を封じ込める魂胆だ。しばらくボムはイフリーたんの腕の中で膨らみ続けていたが、やがてボムっという鈍い音を残して消滅した。 場には、静寂を保ったままの住宅街と、間近でボムの自爆を受け、傷を負ったイフリーたんだけが残った。 「ボム相手にこのザマかよ・・・」 幸いイフリーたんが受けた体の傷は軽く、一日寝れば治る程度であった。もしボムが炎属性の魔物でなければこんなものではすんではいなかっただろう。 しばらく、考え事をしていたイフリーたんだったが、帰って寝ることにした。自分の弱さなど、悩んだところでなくなるものではないのだから。 翌々日には女が退院してくるのだ。弱った自分を女には見せたくないと、イフリーたんは思った。 この夜、イフリーたんは悪夢を見た。人質にとられた女を、自らの手で殺してしまう夢だった。 翌日、早くにイフリーたんは目が覚めた。強くなるにはどうすればいいのか、少し考え、ある結論にイフリーたんはたどり着いた。 「特訓すればいいじゃないか」 次にイフリーたんが直面した問題は、その特訓の方法である。自分の何が弱いのかもわからないままでは、何を特訓すればいいのかわからない。だから、自分よりも強いものの元で特訓をするのが一番早いと、イフリーたんは思った。 そして、イフリーたんよりも強い召喚獣が彼女の身近にはいた。 「ぅ・・・もしもし?」 電話口の相手は眠そうに言った。それは無理もない。今はまだ日曜朝の7時なのだ。 「折り入って相談があるんだ、竜王バハムート」 「止せ、我は竜王ではない。この朝早くから何用だ、炎の魔人よ」 「特訓をしてくれ」 「特訓?」 二文字の単語にバハムーたんは怪訝そうに聞き返した。 「ああ。女を守る力が欲しいんだ、だから・・・」 「それは己で身に付けよ。」 「んなっ、頼むよ」 「・・・わかった。今すぐに来い」 「おぅ、サンキュー。すぐ行くぜ」 電話は終わった。ため息をつくバハムーたんの隣には、《特訓してやれよ》とかかれたスケッチブックを持った友が、ニコニコしながら座っていた。 「とも、でんわぬすみぎぎしたの?」 「いや、そのたまたま耳に聞こえちゃって・・・」 「めがふr・・・」 「待て、待てバハムーたん。俺はイフリーたんのことを思ってだな。」 「わかった。このめがふれあはとっておく。」 「わかってくれたかぁ。って、とっておくって、え?」 「とも、恐○キングがかけて」 「ああ、うん・・・」 そこはかとなく、友は嫌な予感がしていたが、それを払拭するかのようにテレビをつけた。そこには、今期から翼竜伝説と副題の付いた恐○キングが流れていた。 ぴんぽーん ちょうどテレビアニメも終わったころ、友の家のチャイムが鳴らした。鳴らしたのはもちろん、イフリーたんである。 「よぅ」 「来たか、炎の魔人よ」 「・・・バハムー、たん?」 バハムーたんは、バハムートとして、イフリーたんを受け入れた。先ほどまでとの口調の違いに友は戦慄いた。バハムーたんの小柄な体に、友を震えさせるだけの力が込められていた。 「この半刻の間、汝の弱さについて考をめぐらせていた。」 「わかる、のか?」 「当然のこと。汝には制御する力が必要だ」 「制御・・・」 イフリーたんはゴクリと唾を飲み込んだ。ものの一瞬にしてビブロスを蒸発させた、瞬間の映像がイフリーたんの脳裏を支配した。次暴走したときに、女を殺さないとはいえない力だった。 「自由に上級魔法を唱えられるようになれ。」 「どうすればいいんだ!?何だってする覚悟だ!」 「力の制御は心の制御。心を律し、溢れ出る力を感じ、調和させるのだ。」 「わかったぜ。やってみる。」 「できるようになったらおしえて。とも、あそぼー」 いつの間にかバハムートはバハムーたんに戻っていた。イフリーたんは目を閉じ、体の中に眠る力を探そうとした。しかし、そう易々とは見つからなかった。見つからないから苛立ち、また見つからなくなる。ダメだと思っても苛立ちは消えず、イフリーたんは太陽が一番高く上ったころには、もう辟易としていた。 眼は何者も見ぬよう、耳は何者も聞かぬよう、肌は何も感じぬよう、イフリーたんは意識をして行っていた。そしてそれはまもなく、崩れてしまった。 視界こそ瞼に遮られていたが、耳にはじゃれあうバハムーたんと友の声が、肌には外気の流れが感じられ始めてきた。不思議とそれは、彼女にとって心地よかった。 「っ、フレア!」 感じるまま、窓に向かってイフリーたんはフレアを放った。巨大な火炎はバハムーたんの指示通り空に向かって飛んでいった。窓を粉々に吹き飛ばして。 「できた、できたぜ、バハムーたん!」 「しぜんとのちょうわ」 バハムーたんは、もうバハムートになるのは疲れる、といった具合だった。 「自然との、調和?」 「まわりがみえないと、じぶんもみえない。みえないとつかえない。」 「そういうことだったのか。ありがとう、バハムーたん。気づかせてくれて」 「まだおわりじゃない」 意気揚々と帰ろうとするイフリーたんをバハムーたんが止めた。まだ、特訓は終わっていないということらしい。 「え?」 「ぼくにふれあをあててみて。」 「おぅあっ!?」 そう言うや否やバハムーたんは友を鷲掴みにすると、空へと飛び立った。 「あ、おい待て!」 イフリーたんはそれを追って屋根へ出た。空には友を掴んで羽ばたいているバハムーたんが友と話をしていた。 「こら、バハムーたん、どういうつもりだ」 「とも、めがふれあよりいたくないよ」 「んなっ、俺何かしたか?」 「とっておいたぶん。ぬすみぎきはだめ」 「マジかよ・・・」 「バハムーたん、お前の主に当たったらどうすんだよ!」 「あてないようにうって」 「よし、フレ・・・」 「ちなみに、ともをたてにするから」 それならばとばかりにフレアを放とうとするイフリーたんを、バハムーたんが遮った。語調から本気であることをイフリーたんは悟った。 「なにぃっ!?」 それに対して声を上げたのは友のほうだった。まさかこんなことになるとは思っていなかったらしい。降ろせとばかりに暴れる友だったが、結局それは無駄な抵抗に終わった。そして、仕舞いには片腕を掴まれ宙に浮く形になってしまった。 痴話喧嘩を見ているようで、辟易としていたイフリーたんだったが、友の姿を見て唖然とした。ビブロスに腕を掴まれた女と、姿が重なったのだ。傷つけずに助ける方法をイフリーたんは考えた。頭にはビブロスのいやらしい声ばかりが響き、集中を妨げる。 何を思い立ったのか、イフリーたんがバハムーたんに向けて飛び掛った。バハムーたんは羽ばたき回避をしようとするが、イフリーたんは地に落ちなかった。一瞬、バハムーたんの顔が曇る。 「ましたにふれあ・・・」 イフリーたんは真下に向かってフレアを放ち、推進力を得ていたのだ。地上に害が及ばないように制御して。地上に害が及ばないギリギリの力は、イフリーたんが進むほど大きくしてもよい。 すなわち、常に加速できる。 「捕まえたぜバハムーたん。零距離なら、友には当たらねぇ!」 「みごと」 「フレア!」 爆音が響く。が、バハムーたんは落ちなかった。それだけではない。ピンピンしていた。 「まだちからがたりない」 「馬鹿な、全力だぞ・・・」 「ぼうぎょをかためるすきがあった」 そういうとバハムーたんは二人を乗せ、友の部屋に戻った。バハムーたんが脳震盪を起こして気を失った友をベッドに寝かせ、口を開いた。 「何故いきなり力を欲した、炎の魔人よ」 「話し方いきなり変えんじゃねぇよ。」 「友はこの口調を好まぬのだ。して?」 「最近、ある悪魔と戦り合ったのは話したな?」 「病院で聞いたあれか。」 「ああ。だが奴は以前俺が屠った奴だ。」 「それも病院で聞いたな。」 「そしてあの病院、俺をただの患者として扱いやがった。」 「・・・何が言いたい」 「そして最近、魔物が増え始めた。本来この世界に起こってはいけないことだ。」 「“調和の乱れ”が起きたと言いたいのか?」 「・・・そうじゃなきゃここ最近の動向は説明できねぇ」 「故に力を欲したか」 「ああ。命に代えても私は女を守らなきゃなんないからな」 「・・・・」 この後、二人は口をつぐんだ。イフリーたんは頑なにバハムーたんが口を開くのを待った。だが、一向にバハムーたんは口を開かなかった。 時だけが流れた。陽は落ち、明かりをつけない部屋は徐々に暗くなっていった。時折窓から流れてくる風だけが、部屋の静寂を破っていた。 「“調和の乱れ”を正す心算か?」 バハムーたんが静かに口を開いた。言葉の長さに比例せず、とても重い質問のようにイフリーたんは感じた。 「・・・ああ」 「何が起こるか知った上でか?」 「・・・ああ。これ以上の乱れは女を傷つける」 「・・・そうか」 バハムーたんは静かに呟いた。再び沈黙が訪れようとしていた。 「協力してくれ。友がどうなっちまうかもわかんねぇんだ」 イフリーたんがその到来を拒否した。静かな熱い言葉だった。だが、バハムーたんは答えなかった。まるで、イフリーたんの声を聞かず、過去を眺めているようだった。 「・・・わかった。私は一人でも戦う。じゃあな」 イフリーたんは失望したかのようにバハムーたんを一瞥し、立ち上がった。そして踵を返し、扉へと向かっていった。 「待て」 それをバハムーたんが呼び止めた。 「空を見よ。ここ最近の星空の歪みは、乱れが原因やもしれん」 「恩に着る。」 イフリーたんはそういうと部屋を出た。 「あの程度をどうにかできぬなら、“調和の乱れ”は正せまい。炎の魔人よ。」 部屋に残されたバハムーたんはぽつりと呟き、静かに目を閉じた。 後半部まで一気に書ききれなかったので急遽分割。 後日ちゃんと上げます。
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前ページS-O2 星の使い魔 「結婚するのよ、わたくし。ゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになるでしょうね」 「ゲルマニア! あんな野蛮な成り上がりどもの国に!」 「ええ、そう。けれど仕方が無いの。 トリステインとゲルマニアが同盟を結び、叛徒との戦争の備えねばならないのですから」 「そんな……ああ、アンリエッタ様……」 「いいえ、いいのよルイズ。物心ついた時から覚悟はしていました。 私は王女。好きな殿方と結ばれるなど、夢物語にすぎぬのだと」 (……まるで歴史の教科書だな) なにやら芝居がかったやりとりを続けるルイズとアンリエッタとは対照的に、 一方のクロードは意外なほど冷静に二人の話を聞いていた。 二人の話から推測するに、トリステインとゲルマニアによる政略結婚によって軍事同盟が結ばれ、 それにアルビオンでは反体制を旗印に反乱が起こっているらしい。 下手をすれば、ここからハルケギニア全土に変革の嵐が吹き荒れるかもしれない。 まさかこんなところで歴史の節目に、それも当事者として関わることになるなんて。 「……ん?」 いつの間にか、シエスタに服の裾を掴まれていた。 「あっ……す、すいません!」 クロードの視線に気付いたのか、ビクリとして手を引っ込める。 まあ、いきなりこんな話を聞かされれば心細くなるのも無理はない。 ましてや、彼女は世情や国家などとは縁の無い庶民なのだから。 「それで、わたくしが今日ここに来たのは───」 はてさて、ようやく話が本題に入ったことで改めて一行が表情を引き締める。 「アルビオン王家のウェールズ皇太子から、手紙を受け取ってきて欲しいのです。 もしもその存在が公になれば、この縁談は破談となってしまうでしょう」 「……手紙、ですか? それもアルビオンに?」 首を傾げ、眉を寄せるクロード。 「いくらなんでも、危険すぎませんか? それに、向こうで処分してもらうわけにはいかないんですか?」 「ええっと、それは、その……」 口篭るアンリエッタに対し、クロードの視線に避難がましいものが混じる。 それを察したルイズがすかさずクロードに肘鉄を入れる。 「この馬鹿、空気読みなさいよ!」 「……うぐっ。でもさ、ルイズ。冷静に考えてくれ。 紛争真っ只中の国に、特別な訓練を受けたわけでもない学生を向かわせるなんて…… 死んで来いって言ってるようなものじゃないか。こんなの、正気の沙汰じゃない」 「何よ、別に命なんて惜しくないわ! アンリエッタ様の期待に背けって言うの!?」 「犬死にに名誉も何もあったもんじゃないだろ。もう少し冷静に考えてくれよ」 「ああもう、うっさいわね! 使い魔は使い魔らしく、主人の言うことを聞いてればいいのよ!」 「その主人の身を心配してるから、こうして話してるんじゃないか!」 いつもは割とすんなりと折れるクロードにしては珍しく、今回はなかなか引き下がらない。 アンリエッタも口を挟めずにおろおろしている。 「あのう、ルイズ様、クロードさん……そ、そんなに興奮なさらずに……」 「悪いな、お嬢ちゃん。今回ばっかりはお前さんの出る幕じゃねえよ」 仲裁に入ろうとしたシエスタに、デルフが冷たく言い放つ。 思わぬところから入った横槍に、ルイズとクロードも口を挟めない。 デルフの言葉は続く。淡々と。 「王女さんに娘っ子。悪いが、俺は全面的に相棒に同意させてもらうぜ。 勇気と無謀は別モンだ。こいつぁ荷が重いとか軽いとかってレベルじゃねえ。 せっかく出会えた相棒を、むざむざ野垂れ死にさせるような真似は御免蒙る」 一息(?)にそこまで言い終え、デルフは言葉を切った。 クロードもそれ以上何も言おうとしない。つまりは、そういうことなのだろう。 ルイズは唇を噛む。デルフの言葉は正論以外の何物でもない。 そして、間違っていないからこそ、気に食わない。 「……あぁそう、良いわよ! あんたなんかに頼まないから!」 「だから、人の話を聞けよ! 危険だって言ってるのが分からないのか!?」 「うっさい腰抜け! 死ぬのが怖いなら、ここで引き篭もってればいいのよ!」 「行けば死ぬと分かってる場所に、行かせられる訳が無いだろ!」 お互いに苛立ってきたのか、しだいに声のトーンが大きくなる。 ああ言えばこう言い、こう切り込めばそう切り返す。 既に話し合いと言うより口論、或いはただの痴話喧嘩だ。 すでに泥仕合の様相を呈し、蚊帳から放り出された二人は途方にくれるばかり。 と、そこでバン!と扉を開けて部屋に飛び込む人影が一つ。 「話は聞かせてもらったよ! ここは僕に任せて───」 「「お前は引っ込んでろッ!!」」 相変わらず空気の読めぬ男、ギーシュであった。 (……ダブル説教中につき、しばらくお待ちください……) (……ダブル説教中につき、しばらくお待ちください……) (……ダブル説教中につき、しばらくお待ちください……) 「ええっと……実は、この件については私の発案ではないのです。 一度、とある信用の置ける方に依頼したのですけれど、 その方から是非ルイズに助力を願いたい、との申し出があったのですよ」 何はともあれ、空気が変わったことを流石のアンリエッタも感じ取り、 そう言ったところでにっこりと笑う。 「私が……私の力が必要……?」 そう言って頬を赤くするルイズ。 自分のことを見てくれている人がいた。自分の力を認めてくれる人がいた。 それだけでぐっと胸が熱くなる。何だってやれそうな気がしてくる。 そんな主の様子を見て、クロードも諦めたように一つ息をつく。 ちなみに、ギーシュはその横で心底羨ましそうに唇を尖らせている。正座したまま。 「……わかった。そういう事だったら、僕からこれ以上とやかく言ってもしょうがないな」 「ふん、解ればいいの。ちゃんと付いて来なさいよ」 どうだ、と言わんばかりに胸を張るルイズ。 ナチュラルにクロードを頭数として入れている辺り、彼女らしいと言うか何と言うか。 デルフもこれ以上の説得は無駄だと考えているのか、何も言う気配が無い。 もっとも、それを自然に受け入れている自分も、人のことは言えないのだろう。 これもコントラクト・サーヴァントの効果なのか、それとも自分自身の意思なのか。 アルビオン行きを止めようとしていたことにしても、 あくまで彼女の身を案じていたからであって、自分の都合は二の次だったような気がする。 どちらにしても、今のクロードにこの状況を覆すだけの力は無い。 何はともあれ、これは自分にとってもルイズにとっても一つの大きな経験になるはずだ。 今はそう思っておくことにしよう。生きて返って来られたなら、という条件付きだが。 とりあえずそこで一度考えを切って、半ば拗ねているギーシュに向き直る。 「それからギーシュ、君にも一緒に来て欲しい」 「なっ……!?」 「本当かい、クロード!?」 思わぬ申し出にルイズが絶句し、ギーシュが立ち上がってクロードの手を取る。 (ちょっと、どういうつもりなのよ!) (だって、学校で変に口を滑らせても困るじゃないか) 興奮して両手を握り締めるギーシュの横で、こっそりとルイズに説明するルイズ。 それを聞いて、ルイズも納得したようにポンと手を打つ。 こういう任務にはルイズよりもギーシュの方が向いていると考えていたのは内緒だ。 もっとも、他にもっと頼りになりそうな人物が両手に余るほど挙げられそうな気がしないでもないが。 「ありがとう、ありがとうクロード! 心の友よ!!」 そんなやりとりを知る由も無く、クロードの手を握り締めてブンブンと上下に振り回すギーシュ。 「あだ、痛たたたた! お、落ち着けよギーシュ!」 「姫殿下の御前よ。自重しなさい」 「あ、ああ。すまない、ルイズ、クロード。僕としたことが……」 そう言ってギーシュは大仰に咳払いをし、改めてアンリエッタの眼前に跪く。 「アンリエッタ王女殿下、どうぞこの私、ギーシュ・ド・グラモンに、 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと共にアルビオンへ赴く任を仰せつけなさいませ。 未だ未熟な身ではございますが、この魔法が姫殿下のお役に立てるようであれば、これは望外の名誉にございます」 「グラモン? まさか、グラモン元帥の?」 「はい、息子でございます!」 元帥の息子。 その言葉にクロードの表情が微かに歪んだが、気付いた者はいなかった。 「それにしても、このような格好で申しわけありません。 幼友達の前ならばともかく、元帥の子息の前でこのような服で……」 「何を仰せになります! 麗しき姫殿下のお召しになるものならば、例えいかな襤褸でも輝く錦となりましょう! それにそのメイド服も真にけしから……ゲフンゲフンッ! いえいえ、可憐であらせられます! 慎ましやかな黒のロングスカートと純白のエプロンのコントラスト。 其に身を包むはトリステインの秘宝、ハルケギニアに咲く一輪の花! そう! こんな素晴らしいものを目の前にしては、例え始祖ブリミルと言えども辛抱たまりませんともッ!!」 「……その辺にしとけ、ギーシュ。それ以上は色々とマズい気がする」 鼻息も荒く、嫌な方向にトリップしかけたギーシュの肩を掴み、そそくさと横に退けるクロード。 もっとも、アンリエッタはよく分かっていない様子でニコニコと笑っていたが。 「では、姫殿下。手紙をアルビオンのウェールズ皇太子殿下より受け取って来ればよいのですね?」 改めて一歩前に出るルイズ。 「ええ、それから───」 そう前置きをして、アンリエッタは一通の手紙をしたためる。 始祖ブリミルよ、お許しを。そう呟いて封をしてルイズに手渡した。 意を得た、とルイズも無言で一つ礼をし、懐へと忍ばせる。 そして右手の薬指に填められた指輪をそっと抜き取り、ルイズの左手へと差し出す。 「母上から賜った『水のルビー』。これがきっと貴方たちを守ってくれるでしょう」 「姫殿下……!」 感極まってルイズの瞳に涙が浮かぶ。 後ろに立つギーシュも、表情をこれ以上ないほどに引き締めている。 「……正直どうよ、相棒?」 「……どうなんだろうな」 感激に身を振るわせる貴族二人を尻目に、ぼやくデルフとそれに他人事のように答えるクロード。 不安が無いといえば嘘になるが、あれこれ考えるには今晩は色々なことがありすぎた。 あとはルイズを推薦したという人物の器量と、せいぜい始祖ブリミルの加護にでも期待しておこう。 窓の外の空には、寄り添うように浮かぶ二つの月。 月の光は人を狂わせる魔力があるのだという。 ならば、この様に二つ月が並ぶ場合はどうなるのだろうか。 狂気が更なる狂気を呼ぶのか、はたまた狂気が裏返って正気に返るのか。 (……どう転んでもマトモじゃない、か) そんな予感をひしひしと感じるクロードだった。 おまけ 描写の関係でボツにした部分 シエスタ「ちょ、姫殿下っ……ひゃぁっ! そ、そんなところを……ひんっ! や、やめっ」 アンリエッタ「あら? おかしいわね。この辺りに入れておいたと思ったのだけれど」 ギーシュ「……けしからんな」 クロード「……ああ、けしからんな」 ルイズ「……けしからんわね」 前ページS-O2 星の使い魔
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前ページ次ページゼロの夢幻竜 第二十四話「指輪」 「つまり話を整理すると、変装して私の部屋に入った姫様をギーシュが見ていた。そして、中の話を立ち聞きしている所をモンモランシーに見つかった。と、こういうわけね?」 ギーシュはルイズの問いかけに対しうんうん、と頷く。 ルイズはやれやれといった感じで眼前の二人、ギーシュとモンモランシーを見つめた。 立ち聞きをするギーシュもたいがいだが、そんな彼に対し、なかなかほっとけないという様な姿勢を見せるモンモランシーも良い勝負だった。 「放っておけないんですか?」 「う、五月蝿いわねっ!私はね、こんな時間に女子生徒の部屋の前でうろうろしているのは誰かなって通りがかっただけよ!」 ラティアスの何気ない質問に対して、モンモランシーは真っ赤になって反論する。 ああ、この人もご主人様と似たり寄ったりな人なんだなと、ラティアスは頭の中で勝手に結論づける。 「でも君は!それが僕だと分かると直ぐに来てくれたじゃないか!」 「はぁ?何勘違いしてるのよ!あなただから余計に危なっかしいんじゃない!この節操無し!」 ギーシュは縒りを戻しでもしたいのか、構ってくれと言わんばかりのオーラを放つ。 が、そんな物が今のモンモランシーに効く筈も無くあっという間に一蹴された。 彼女だって、彼がこんなに浮気性でなければ色々と考えてやれんでもないと考えていた。 が、その酷さは数日前に起きた香水の一件で、すっかり白日の下に晒されている。 その為にモンモランシーは、ラティアスに口では乱暴な事を言いつつも、内心では感謝していた。 そしてラティアスは、目の前で起きている痴話喧嘩に溜め息を吐きつつ思う。 この分ではどうやら、二人が結ばれる道程はここから月への道程ほどになりそうだ。 「二人とも!姫様の御前よ!私語は慎みなさい!」 弛みきったその場の空気を引き締める為に、ルイズはぴしゃりと言った。 ルイズが二人ともと言ったという事は、自分は入っていない。 と言う事は少なくとも、自分は置いてけぼりにされていないという事にラティアスは気を良くした。 ラティアスは困った様な声でアンリエッタに話しかける。 「どうしますか、王女様。この二人、さっきの話を立ち聞きしたそうですけど、どうします?」 「そうね……今の話を聞かれたのは不味いわね……」 「因みにあんた達は一体どの辺りから話を聞いていたの?」 ルイズの質問に答えたのはギーシュだ。 「確か……破滅の一途を辿らせる手紙だとか、アルビオンのウェールズ皇太子だとかの辺りからだが?」 その正直な答えにルイズは瞠目する。 何て事だ。それでは話の肝心な所は、ばっちり全部聞こえていたという事ではないか。 これでは何の隠し立てのしようも無い。 恐らくは隣でぶすっとした表情を浮かべているモンモランシーも同様だろう。 「今更引き取ってくれって言うのは難しいですし、かと言って、この任務に巻き込むのも……」 ラティアスはそう言って値踏みするような目で二人を見た。 ギーシュに関しては、例の決闘を参考にしたので力量は大方分かっていた。 包み隠さず言えば、七体の脆い青銅ゴーレムしか操れないドットメイジの彼が戦力に加わったとて、大きな変化がある訳ではない。 平民の傭兵や野盗相手にならどうという事は無いが、道中でお相手するのは彼と同じメイジ、それも大半、いや全員が彼以上の力量を持った者達なのだ。 ハッタリをかます位の所業が精一杯だろう。 モンモランシーに関しては未知数とも言える。 ラティアスも見る事が出来る野外における授業(そもそも野外授業の数自体がかなり少ない)でも、彼女はあまり魔法を見せた事が無いし、見せる事があってもかなり小規模な物に限定されていたからだ。 使い魔召喚の儀において蛙を召喚していた事から、水系統のメイジだという事は分かっていたがそれきりである。 また、水系統は攻撃用の魔法と回復用の魔法の二つを操れる事を、ルイズから伝え聞いていた。 それらを纏めて考えるなら前衛は使い魔である自分が務めればいい。 魔法使いには呪文詠唱が必要なのでいい時間稼ぎになるからだ。 攻撃にはギーシュの武器を持った『ワルキューレ』、ルイズが持ち得る魔法を使って対応する。 後衛兼補助としてモンモランシーが回復と攻撃に務める。 戦闘態勢としては一応様にはなっているが、如何せん火力の小ささが否めない。 想定するだけ無駄だったか? そんな時、ギーシュが立ち上がって仰々しく言った。 「姫殿下!その困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンに仰せ付け下さい!」 その様子を見てモンモランシーは眉を顰めた。 「あんたって人は……今度は姫殿下にまで色目を使うつもり?!」 「ば、馬鹿な事を言わないでおくれよ、モンモランシー!僕は純粋に姫殿下のお役に立ちたいと思ってるんだ!それに今のままでは僕自身の誇りに傷が付いたままじゃないか!その回復の為にも、僕はこの任務に同行しようと思っているんだよ!」 「どうだか……」 ギーシュの熱弁にも関わらず、モンモランシーはすっかり冷えた視線をあさっての方向に向けている。 と、ギーシュの口上を聞いていたアンリエッタが彼に質問を投げかけた。 「グラモン?あのグラモン元帥の?」 「息子で御座います。姫殿下。」 ギーシュは恭しく一礼して胸を張る。 アンリエッタはそんな彼を見て期待を込めて尋ねる。 「あなたも私の力になってくれるというのですか?」 「この部屋の戸口において、事の次第を聞きし時からそう思っておりました。この上任務の一員に加えていただけるなら、それはもう望外の幸せでございます。」 「まあ……有り難う。お父様も立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいるようですね。ではお願いしますわ。この不幸な姫をお助け下さい、ギーシュさん。」 「勿論ですとも。ああ、姫殿下が僕の名前を呼んで下さった!姫殿下が!トリステインの可憐な花、薔薇の微笑みが……」 ギーシュは最後まで言う事が出来なかった。 横のモンモランシーが聞いていられないとばかりに、ギーシュの後頭部を叩いたからである。 叩かれた所を摩りながらギーシュは涙ながらに言った。 「痛いじゃないか、モンモランシー!」 「ふん。やっぱり色目使ってるんじゃない。」 モンモランシーは呆れて物も言えないという様に溜め息を吐く。 と、そこに王女の声がかかる。 「あなたは?」 「はい。私はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシと申します。」 「モンモランシ家……するとあなたのご実家は、トリステイン王家と旧い盟約を結んだ水の精霊との交渉役を行っているというあの……」 「申し訳御座いません、姫殿下。現在それは別の貴族が務めております。」 「それでも古来より王家に使えてきた由緒正しい名家の一つに違いはありませんわ。あなたは力を貸して下さいますの?」 そう言われてモンモランシーは自国の王女の前にいるにも拘らず、「あー」とか「うー」とか言いつつ返事を若干延ばす。 彼女は面倒な事には首を突っ込みたくない質だったし、正直とばっちりを受けた感もあった。 だが隣で、紅潮しつつも澄ました顔をして立っているギーシュを見て意を決した様に答えた。 「微力では御座いますがお役に立てる事が出来るなら……先程の任務、ご同行いたします。」 「有り難う。あなたの力もきっと道中で仲間を救うでしょう。お願いします……」 アンリエッタはモンモランシーに向かって儚げに微笑む。 そこへギーシュが歓喜の言葉を突っ込んできた。 「来てくれるのかい、モンモランシー!ああ、君の永久の奉仕者としてこれほど嬉しい事は無いよ!」 「勘違いしないでよ、ギーシュ。私はあくまでもついて行くだけですからね。お目付け役みたいな私がいないと、あんた何をしでかすか分かったものじゃないし。」 釘を刺す様に言うモンモランシーだが、ギーシュはそんな事はお構い無しとばかりに嬉しがっている。 そんな二人を余所にルイズは真剣な声で言った。 「では、明日の朝、アルビオンに向かって出発する事に致します。」 その言葉にギーシュとモンモランシーは驚いた。 「明日の朝だって?!学校はどうするんだよ!せめて2~3日休みが出来る時でなきゃ……」 「それじゃ遅いのよ!この任務が一刻を争う事態だってのは聞いてたんでしょ?明日の朝出る。これ絶対。良いわね?……姫様もそれで宜しいですね?」 「分かりました。情報によるとウェールズ皇太子はアルビオンのニューカッスル付近に陣を構えていると聞き及んでいます。」 「了解しました。アルビオンへは以前姉達と旅行に行った事があるので、地理で迷うといった事は無いと思います。」 「そうですか。念の為に。旅は危険に満ちています。アルビオンの貴族達はあなた方の目的を知り次第、ありとあらゆる手を使って妨害してくるでしょう。」 それからアンリエッタはルイズの羽ペンと羊皮紙を使い、軽やかに手紙をしたためる。 直ぐに手紙は書き終わったようだが、彼女はそれをじっと見つめていた。 やがて悲しそうに首を振るのを見たラティアスは薄ぼんやりと判断する。 誰にも見られてはいけない手紙の内容。 そして先程の表情を合わせて考えると、書いてあった事というのは恐らく…… 「姫様、どうかなさいましたか?」 「え?ああ、何でもありません。」 王女の様子を怪訝に思ったルイズは声をかける。 しかしアンリエッタは顔を少し赤らめただけだった。 アンリエッタは何かを吹っ切るかの如く一回頷き、末尾に何か一言書き加えた後に小さな声で呟く。 「始祖ブリミルよ。この自分勝手な姫をお許し下さい。でも国を憂いていても、私はやはりこの一文を書かざるを得ないのです。自分の気持ちに嘘を吐く事は出来ないのです。」 ホント、自分勝手よねぇ、という一文がラティアスの喉まで出かかったが、そこは流石に精神感応が出来る動物。必死になって抑えた。 そしてアンリエッタの呟きはラティアスの考えを確たる物にした。 アンリエッタが書いた手紙の内容というのは、ほぼ間違い無くウェールズ皇太子への恋慕の思いだろう。 ゲルマニアの皇帝が憤るというのは、幾ら恋愛だけで済んだとはいえ、また一国の王女とはいえ、不義の女性を娶るわけにはいかないからだ。 アンリエッタは羊皮紙を巻き、携帯していた杖を振った。 すると手紙に封蝋がなされ、次いで花押が押される。こうなれば完璧な密書の完成である。 ルイズは密書を手渡しで受け取ったが、その際アンリエッタから説明を受けた。 「ウェールズ皇太子にお会いしたら、この手紙を渡して下さい。確認が取れ次第、件の手紙を渡してくれるでしょう。」 それからアンリエッタは右手の薬指から指輪を引き抜き、ルイズに手渡した。 暗紫色に妖しく輝くそれは見る者を引き付けて離さない魅力がある。 「母君から頂いた『水のルビー』です。せめてものお守りです。お金が心配なら売り払って旅の資金に当てて下さい。」 「そんな!そのような大事な物を易々と使うわけにはいきません!」 ルイズは案の定抗弁する。 ラティアスにしてみれば、アンリエッタは指輪を手放す気など無いのではないかとさえ思えた。 何故か。売り払って旅の資金にしていいとまで言うのなら、指輪の由来を語って情を入れさせる必要は無いからだ。持っている本人が使いにくくなってしまう。 それに、売っていいほどまだ安価なやつならまだあるだろうし。 だが、アンリエッタは首を振って続ける。 「よいのです。どうか気になさらないで。この任務にはトリステインの未来がかかっているのですから。私も母君の指輪が、アルビオンに吹く猛き風からあなた方を守るよう祈りますわ。」 トリステインの未来……と、アンリエッタは言う。 だがラティアスはこの一晩で未来の平安が、かなり危うく、そして脆い土台の上に乗っている物と痛感したのだった。 前ページ次ページゼロの夢幻竜
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沢邑勝海 こんばんは。生活ゲームの時間になりましたのでお声かけさせていただきました。 芝村 はい。記事どうぞ 沢邑勝海 http //cwtg.jp/ogasawara/wforum.cgi?no=5977 reno=5916 oya=5916 mode=msgview 【予約者の名前】23-00740-01:沢邑勝海:キノウツン藩国 【実施予定日時】12/8 22 00〜23 00 【ゲ-ム実施時間】20マイル×1時間 【予約の有無】予約 有り(10マイル) 【召喚ACE】 沢邑勝海 ・谷口竜馬:藩国非滞在:10 【参加プレイヤ-の食糧消費】3マイル×1人 【合計消費マイル】計43マイル 【参加者:負担するマイル】 23-00740-01:沢邑勝海:-0マイル:入学済 #誕生日枠を使用します http //cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article id=8462 芝村 イベントは? 沢邑勝海 1:谷口・藩国ACE達への狙撃などの起こらない安全な場所 2:先月の谷口の誕生日を祝う、もしくは早めのクリスマス (谷口本人が好きな方でお願いします) この二点を踏まえてゲームさせていただきたいと思っております。 沢邑勝海 それと質問なのですが、 Q1:今回キノウツン旅行社から谷口に私が行く事は伝わってますでしょうか? Q2:産業育成に合わせて『メイド喫茶(イベント)』を取得しておりますが、このイベント効果はこのゲーム中で自動発動しますか? (PLACE青狸さんが危険にさらされるのを避けたいのですが) 芝村 踏まえられるかはわからんよ 芝村 A1 いいえ 芝村 A2 ええ 沢邑勝海 ではなるべく安全な場所でお願いします……。 沢邑勝海 それと以下のr:をお願いします。 r:今回会う事と、待ち合わせる場所を谷口へ事前に連絡しておきます 芝村 数分待て 沢邑勝海 はい、よろしくお願い致します。 芝村 /*/ 芝村 ここはキノウツンだ。 芝村 メード喫茶が行われている。 沢邑勝海 「おおお……」 芝村 谷口ははぁ。と言う顔だ。 芝村 開店前から青狸が立ってるよ 沢邑勝海 「あ、すいません…こう言うの、苦手手ですかね?」 芝村 谷口:「いやまあ。ははは」 沢邑勝海 散歩部に参加しておりますので特殊使用できますでしょうか。 散歩部所属者は生活ゲーム開始時に1d6することが出来る。1が出たらいいものを、6だったらその時藩国で進行している嫌なものを見る。この能力は参加税を払わないでも起動する 芝村 #どん引きしてそうだ 芝村 どうぞ。NWCでふってきてちょ 沢邑勝海 「まぁ、最初に見た人はみんなそういうと思います、うん…」(苦笑) 芝村 谷口:「まあ、そうでしょうね」 芝村 谷口:「一難去ってまた一難ですね」 沢邑勝海 MASTER◆沢邑勝海 > 1D6 → 5 = 5 (12/8-22 08 14) 沢邑勝海 「私も最初見た時驚きましたから。……慣れましたけど」 芝村 #普通そうだ。 沢邑勝海 「一難なんですかっ、って竜馬さん的にはナシなのかー…」 芝村 谷口:「え。これは肯定的にみれるものなんですか・・・」 芝村 谷口:「てっきりこう、風俗系のにおいが」 沢邑勝海 ブーッ 芝村 谷口は青狸のバーニングぶりを見ながら言った。 芝村 挙動不審だ。 芝村 メイスもってる 沢邑勝海 「いや普通にメイド服の人が給仕する喫茶店ですって……」 沢邑勝海 「って、何バーニングしてるんですか青狸さん……orz」 芝村 谷口:「はぁ」 芝村 #説得力0 沢邑勝海 「まぁ、イロモノ扱いされても仕方ないですけど……」(めそめそ) 芝村 谷口:「まあ、私がいた頃とは、別の国でしょうしね」 沢邑勝海 「一応、法律的にはやましいことは禁止になっているので、安心てください、はい」 芝村 谷口:「・・・」 芝村 微妙な顔してる 沢邑勝海 私も微妙な顔がしたいです 芝村 まあ、性格的に当然か。 沢邑勝海 「一応、建国当時の雰囲気には戻りつつあるんですけどね……」 沢邑勝海 ですよねー。 芝村 谷口:「ははぁ」 沢邑勝海 「そういう意味では感慨深い物があるんじゃないかと……」(頭抱えながら) 沢邑勝海 #別の方向で心が折れそうです。 芝村 谷口:「砂漠に得体の知れない店、怪しい人物と」 芝村 谷口:「ま、まあ・・・いや、幸せならいいんじゃないでしょうか。ははは」 芝村 谷口:「まあ、ではこれで」 沢邑勝海 「ちょっとまってくださいー!」 沢邑勝海 r:引き止めます 芝村 谷口は情けない顔で貴方を見た。 沢邑勝海 「いや、別にメイド喫茶がダメなら入らなくていいですから、はい……」 芝村 谷口:「とめないでくだ・・はあ」 沢邑勝海 「人には好みもあるし、無理強いはしません」 沢邑勝海 「ここまで復興したのを見て貰いたかっただけなんです……」(がっくり) 芝村 谷口:「ありがとうございます。まあ、なんというか」 芝村 谷口:「おめで・・・とう・・・ござ・・・?」 沢邑勝海 「無理しないで下さい」(がっくり) 沢邑勝海 「いや、もう、引いてるのはよく解りますんで……別のところでも行きますか」 芝村 谷口:「すみません」 沢邑勝海 Q:メイド喫茶じゃない普通の喫茶店はありますでしょうか? 芝村 A ないよー 沢邑勝海 Q:では、このまま自宅に呼ぶことは出来ますか?(安全的な意味で) 芝村 A 雰囲気的に無理だろう 沢邑勝海 「……んー、竜馬さん、見て回りたいところとかあります?」 芝村 谷口:「そうですね」 芝村 谷口:「よろしければ、目抜き通りに」 沢邑勝海 「はい、では行きましょう」 芝村 谷口は周囲を観察しながら歩いている 芝村 凄い数のメードが並んでるぞ。 芝村 お帰りなさいませご主人様と国歌ならしながら、客引きしてる 沢邑勝海 「……うわぁ……」 沢邑勝海 「前にあった時の砂漠の時とは全然違いますね……」 芝村 谷口:「は・・・はは」 芝村 凄い復興だ。 沢邑勝海 r:逃げそうなら止めます 芝村 ふわふわと男達が次々吸い込まれていく 芝村 谷口:「まあ、なんというか、元気そうでなによりです」 沢邑勝海 「真面目は話、女性の雇用が増えてくれて何よりです」 沢邑勝海 「こうなるまでは女性が外に出ることすら難しかった時期もありましたから」 芝村 谷口:「・・・」 沢邑勝海 「竜馬さんにとっては変な風景かも知れませんが」 沢邑勝海 (頭かきかき) 芝村 谷口は蹴った。暴漢が倒れた。 芝村 日本刀がくるくるまわった。 芝村 取り押さえた。 沢邑勝海 「おお……!」 芝村 メード:「あ、それはるさんごっこなんで、大丈夫ですよー」 芝村 谷口は血走った男の目を見ている 芝村 谷口:「・・・」 沢邑勝海 はるさん……(頭抱える) 沢邑勝海 「今ちょっと泣いていいですか……」 芝村 谷口:「いや、なんというか。この人物は、ごっこではないですよ」 沢邑勝海 「嬉しいけどなにがなにややら……って」 芝村 谷口は暴れる男を気絶させた 芝村 谷口:「殺気は隠せません。よろしければ、調査を」 沢邑勝海 「はい、了解しました」 沢邑勝海 r:青狸さんに連絡を取ってみます 芝村 青狸はしぶしぶやって、犯人を連れて行った。 沢邑勝海 「ちゃんと調査しておいて下さいよー」 沢邑勝海 ……不安なのは気のせいだろうか 芝村 谷口:「みたことがあるような」 沢邑勝海 (谷口にしか聞こえない小さい声で)「今流行っている洗脳とかですか?」 沢邑勝海 「見たこと?」 芝村 谷口:「ええ。たぶん」 芝村 #どっちにかかってるかは、わからない 沢邑勝海 (谷口にしか聞こえない小さい声で)「……もう一度聞きます、洗脳、でいいんですよね?」 芝村 谷口はうなずいた 芝村 谷口:「間違いないと思います。洗脳といえるかどうかは、さておき」 沢邑勝海 「件の人さらいとかと関係ありますかね?」 沢邑勝海 #きな臭くなってきたなぁ 沢邑勝海 r:辺りを警戒します 沢邑勝海 #うぉ、誰か呼んだ方がいいのか…… 芝村 谷口:「わかりませんが」 芝村 メード達が心配そうに見てる 芝村 ティッシュくれた。 芝村 谷口:「すごいですなここは」 沢邑勝海 「あ、すいません……ただの痴話喧嘩ですんで!」>メイドさんに 沢邑勝海 (谷口にしか聞こえない小さい声で)「と言う事にしておいて下さい」 沢邑勝海 (引き続き小声で)「後で高原さん達に調査して貰います……すいません」 芝村 谷口は立ち上がった。 芝村 谷口:「少し見て回ってきます」 沢邑勝海 「私も手伝います」 沢邑勝海 「……他にも手助けはいりますか?」 芝村 谷口:「いや。なんというか。結構しゃれでない気がします」 沢邑勝海 「洒落でないのか……高原さん呼びますか?」 芝村 谷口:「よろしければ」 高原 が会話に参加しました。 沢邑勝海 高原さんを呼びます 高原 こんばんは 沢邑勝海 「と、言う訳で高原さん、かくかくしかじかまるまるうまうま」 高原 とりあえずPLACE着用して出ます 芝村 はあい 高原 「どうも、ご無沙汰してます」>谷口 芝村 でてきた 高原 「何か大変そうねえ」 沢邑勝海 「……たまには愛が欲しいです」 沢邑勝海 「谷口さん、これからどこへ?」 芝村 谷口:「・・・」 芝村 谷口:「建物の影へ。急いで」 高原 無言で従います 沢邑勝海 r:谷口に従います 芝村 谷口は壁に開いた穴を見た 沢邑勝海 えっ 芝村 谷口:「・・・狙撃のようです」 高原 「やっぱりか」 高原 「久しぶりだなあ狙撃。」 沢邑勝海 「やっぱ出たかー」 高原 「さてどうしよ。船橋なら場所がわかるだろうがあいつ呼ぶと撃たれそうだな」 芝村 ぴしっ 芝村 穴が、またあいた 沢邑勝海 「青狸さん呼ぶのも以下略……ってどっち狙いだこれ」 高原 「狙撃ポイントはこっから想像するとどの辺りかな」 高原 「誰が狙いでも同じだよ」 高原 Q 現在我々は路地裏とかにいるのでしょうか? 芝村 谷口:「いってきます」 芝村 A ええ。路地裏です 沢邑勝海 ついていった方がいいのかしら 高原 ちょーやめとけ 沢邑勝海 だよねぇ、動いたのばれるから 高原 「こっちで仕掛けるか、助けを呼ぶのがいいかい?」 高原 >谷口 芝村 谷口:「出来ればここにいてください」 高原 「了解」 沢邑勝海 「わかりました」 芝村 谷口:「釘付けにされていると、嬉しいです」 芝村 谷口は走っていった 芝村 /*/ 芝村 はい。おつかれさまでした 高原 お疲れ様でした 沢邑勝海 お疲れ様でした 高原 さてどうしましょうね 高原 (メイドに頼んで浅田に連絡→スナイプフォローとか考えたが) 沢邑勝海 Q 谷口は狙撃者を取り押さえましたか? 芝村 A ,まだ不明だよ 沢邑勝海 今から判定ですか 芝村 そだね。 芝村 評価変動は特にありませんでした。 芝村 では解散しましょう。おつかれさまでしたー 沢邑勝海 めぞん回避したのは正解だったのかなぁ 高原 お疲れ様でした 沢邑勝海 あ、済みません。 沢邑勝海 プレゼントにスコーンとクッキーを持ってきましたので後で谷口に渡しておいて貰えますでしょうか? http //www8.atwiki.jp/pons-k/pages/19.html 芝村 ああい 沢邑勝海 ありがとうございますー。お疲れ様でした。
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819 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 12 26 06.73 0 流れぶった切ってすみません!ようやく落ち着いたので厄落としに吐き出させてください あと、胸糞悪い話なので気分を害される方もいるかもしれません。 私がある病気にかかったことが判明 進行性のものらしくて、ひどい場合には車椅子生活になる可能性もあると言われた。 MRIをとって脳神経科の待合室で結果を説明されるのを待っていたら、そこでコトメと遭遇 会った場所が場所なので、コトメに病気のことを根掘り葉掘り聞かれた。 別に隠し通すこともないかと思い、やんわり病気のこと(その時はまだ可能性の話だったけど)を話したら、何故か大激怒 診察終わるまでずっとついて回られ(その後、私は眼科で診察受けたりしてた) 終わると即、義実家へ連行。待ち構えていたのはトメとトメの姉。 長くなってしまったので分けますね 820 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 12 26 48.98 0 続き 数時間近く、 「障害者!!」「恥ずかしいと思わないのか!!」「障害者の血を入れるな!!」 と暴言を吐かれ続けた。 普段はあーはいはい、で流せたんだが 病院に何時間も拘束されてイライラしていたのと、なんか知らないうちに性病扱いされてることに腹がたってきた。 あと、なんか私の父や母、兄、私の仕事のことも取り上げられ「卑しい仕事してる祟りだ!罰が当たったザマア!」とも言ってた ついでに、低所得のくせに関白気取りでマザコンの旦那にもイライラしてきて、何かが吹っ切れた。 何も言わずに立ち上がって、まずトメの趣味の生け花(?)を花瓶ごと粉砕。 なんかガラスっぽい綺麗なのに入った綺麗な花だった。 トメ達は、最初ポカーンとアホ面さらしていたが、ふじこふじこー!!!し出した。 「ごっめんなさい!手足がしびれて!土下座しようとしたんだけど!ほら!ほら!!うほおおお!」 と奇声をあげながら、目についたものをとりあえず粉砕していった。 トメに掴み掛られ髪が抜けたり引っかかれたりしたが、ものすごい楽しかった。 今までの不満とかも全部吐いた、というか絶叫した。 気分が高揚してきて、泣きながらいろんなものをぶっ壊した気がする。 人に対して手をあげなかったのが、唯一の理性だった。 一通り暴れたら、帰宅。夕飯の準備をして、離婚届を書いて家出。 またひと悶着あったけど、なんとか離婚成立しました。 なんか低俗かつ同レベルのdqnでしたね。胸糞悪くなった方ごめんなさい。 吐き出せてすっきりしました。 823 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 12 36 09.20 0 お大事に 824 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 13 14 57.71 0 820 乙 旦那が気団で暴れてなかったか?w 830 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 14 55 01.29 0 826 【フシアナ】逃げられ寸前男の駆け込み寺 310【必須】 http //engawa.2ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1356626319/ 多分ここの494からだと思う 叩きに叩かれてるクズ旦那 855 :820:2013/03/22(金) 18 17 58.74 0 すみません。820です。 レスくださった方、ありがとうございました。 皆さんのおっしゃる通り、気団スレで暴れていたのは私の元旦那です。 知ってる方がいらしたようで驚きました。 気団スレの方で、私が可哀相と同情してくださる方が沢山いて、私も相当にDQNだったのになぁと、罪悪感がありました 離婚が成立した記念に厄落とし兼、罪悪感を軽減させる為にこちらに書き込んだのですが 気を悪くさせてしまったようで、申し訳ありません。 確かに、値が張るものを壊しまわったのはキチじみていたと思います。 体調を気遣うレスをくれたみなさんもありがとうございます。 周囲の理解も得られ、今は本当に環境に恵まれています まとめてのお返事で失礼しました 856 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 18 47 34.46 0 855 義実家は反省したの? つかロミオってない?元旦那 ロミオってるならロミオスレに投下してほしい 既男で見ててメチャ気になってたよー 872 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 20 25 44.35 0 なんつーかあの旦那は自分の過ちに気付くのが遅かったんだよなあ もっと早くにトメをどうにかして改心してりゃどうにかなったかもしれないのに 対義実家に対して役に立たない旦那すぎたね まあそういうエネ旦那ってここの報告の中でもよく見るけど・・・ 873 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 20 29 02.00 0 だからその後報告で離婚報告も多いじゃん>役に立たない旦那 875 :820:2013/03/22(金) 20 33 34.36 0 なんだかご飯を食べていたら荒れてしまいましたね、申し訳ないです 856さん 元義実家は間違いなく反省していないと思いますwそういう人たちではありませんでしたね 旦那は、ロミオというかストーカーと化していて、それだけが今のストレスですかね ロミオっぽいメールとかよりは行為の方が目立っていて、メールはそれほどなのでロミオのスレには書きにくいですね… 869さん 書き込みが分かりにくくてすみません コトメ(旦那姉)、トメ、トメ姉に説教されていたので、あの時の義実家には私含めて4人いたことになります 877 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 21 23 46.29 0 乙でした 元旦那はどこまでもクズですな ストーカー行為なら遠慮なく警察に突き出すのが一番 一刻も早くクズ一家と完全に縁が切れますように 879 :820:2013/03/22(金) 22 02 30.43 0 877 878さん レスありがとうございます。 ストーカーといっても、家に押しかけられたことはありません。たぶんまだ知られていないと思います。 ただ、仕事場に粘着されるんです。 元旦那にも仕事があるはずなんですが、客として仕事場に何度も何度も来ます。 追い返すわけにもいかず、対応は事情を知っているほかの人に任せているのですが、それでも顔を合わせることが多いです。 また、3日に一回は終業時間に建物の近くで待たれています。 システムの都合上、残業がほとんど出来ない職場なので、完全に把握されているようです。 ただ、帰りは同僚に車で送って貰っているのでつけられてはいません。 こういうのもストーカーと呼んで、警察に相談すべき事案でしょうか? 880 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 06 05.38 0 879 完全にストーカー。 なんだったら今すぐにでもお父様と一緒に警察へ 3日に1回とかは頻繁すぎるよ 元旦、仕事首になったんじゃないの? それで食い扶持としてぶら下がろうとしてるのかもしれない 881 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 10 11.69 0 879 今すぐKに相談推奨。 お父さんと一緒に、ちゃんとした服装(スーツがベスト)で速攻行くこと超推奨。 882 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 11 55.45 0 879 どこからどう見ても立派なストーカー 即刻警察へGO 883 :820:2013/03/22(金) 22 21 59.15 0 880 881 882さん ありがとうございます! 仕事の邪魔にはなっていましたが、それ以外の実害は出ていないし ストーカーとまでは言えないのかなぁと思っていました。 客観的な意見が聞けて嬉しいです。 私事ですが、父は遠方に住んでいる上、腰を痛めていて呼べそうにありません。 ただでさえも、私の離婚騒動で駆けつけてきてくれたばかりで、これ以上負担をかけるのも… 事情を知っている同僚に同行して貰おうかな、と考えていますが、やはり親族の方が説得力が有るのでしょうか? 884 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 23 01.15 0 879 「つきまとい」もストーカー行為ですよ。 http //www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/stoka/stoka.htm トップ / 安全な暮らし / ストーカー規制法 相談(通報)するなら、交番ではなく警察署にしましょう。 ストーカーの専門の部署がありますから。 交番だと、「ただの痴話喧嘩」扱いにされる可能性があります。 885 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 26 42.49 0 883 ・男性の親族 ・論理的に物事を説明できる ・スーツ姿 この3点があって、ようや!警察官に「話をちょっとまじめに聞いてもらえる」 押し出しのいいお兄様?(返答不要)がいらっしゃるなら、その方に 一緒に行って貰って 相談を聞いてくれるおまわりさんの「官名(かんめい;役職と名前のこと)」も 必ず聞いてね 警察手帳法5条により、たずねられたら必ず答えなければならない、警察官の義務だから。 ってか、もうかなりマズイ状態だから! 警察は24時間営業、気になるなら明日の朝9時にでもすぐに! ようやく離婚できた娘が襲われて怪我したら、それこそ負担になるよ 887 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 28 38.98 0 884さんの言うとおり、警察は交番ではなく「警察署」へ。 脅すつもりじゃなくて、他人から見て 「あと一押しがあれば元旦が変な方向に行動する」段階まで来てるよ 888 :820:2013/03/22(金) 22 37 45.39 0 まとめてのレスで失礼します。 ようやく離婚が成立して、気が緩みまくっていました。よく考えたら、職場で待ち伏せなんておかしいですよね。 兄は1つ隣りの県に住んでいて、両親よりは近くに住んでいます 近いうちに一緒に警察に同行してくれないか、電話して聞いてみようと思います。 元旦那は、少々頭が弱いので放っておけば個人情報を書きかねないと思い 以前、もう書き込まないようにと釘をさしたのですが…今2ちゃんに書いているのかは不明です。 みなさんの言葉に目が覚めた思いです。本当に、ありがとうございます。 890 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 22 42 19.23 0 888 近いうちなんて悠長なこと言ってる場合じゃない 本当に即刻警察に行くべき案件だよ 893 :820:2013/03/22(金) 22 52 22.09 0 自分の浅はかさが恥ずかしいです。 皆さんの言う通りですね。些細なことで激昂する人だったので、今更ながら恐ろしくなってきました。 ここを見てないことを祈ります… 色々と親身なアドバイスをして頂き、本当にありがとうございました。 899 :名無しさん@HOME:2013/03/22(金) 23 33 14.45 0 820 お疲れ様でした 幸せになってくださいね 次のお話→974
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登録日:2012/09/06(木) 01 06 50 更新日:2022/12/11 Sun 16 49 36NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 HAKAISHA J.J.エイブラムス POV クローバーフィールド クローバーフィールド・ユニバース タグルアト ニューヨーク パラマウント映画 マット・リーヴス 市民視点 怪獣 怪獣映画 手持ちカメラ 映画 核兵器を食らっても大丈夫なカメラ 洋画 自由の女神 謎 その時、何が起こったのか? 【「クローバーフィールド事件」に関する調査ファイル】 この記事は2008年5月22日にアメリカ合衆国にて発生した「クローバーフィールド事件」の記録映像『#USGX-8810-B467』に関する報告である。 この映像はかつて『セントラルパークN.Y.』と呼ばれた場所U-447地区にて発見されたハンディカメラに収められていた。 映像の内容から推察して、いち市民の持ち物と思われる。 撮影時間は午後6時43分から午前6時42分、そのうちの85分間。 映像の修復は容易く、複数の目撃情報の中でもきわめて有力な情報源として重宝されている。 ≪映像内容≫ カメラの持ち主らしき青年・ロブとその恋人・ベスの幸せな一時の後、5月22日の映像となった。 ロブの兄・ジェイソンが弟のロブのために送別会を開くらしく、そのビデオレターと送別会の様子を撮影しているらしい。 主役・ロブの登場により賑わいを見せるパーティー会場。 やがて仲が険悪になったらしいベスとの痴話喧嘩の様子が映され、 パーティーも宴もたけなわになった頃、突然の地震とニューヨーク市街の爆発により一転、パニックになる。 ロブらが通りに出ると、彼らの目の前には自由の女神の首が放り投げられ、 全ての原因である「あれ」が目の前でビルを崩す様がカメラに映し出されていた…。 ≪事件関係者≫ ○ロブ・ホーキンス カメラの所有者。 海洋開発企業『タグルアト社』に務めており、日本本社に副社長として栄転することになっていた。 恋人・ベスとの関係は既に冷え切っており、挨拶もないまま別れるつもりだったが、 「あれ」の襲来により彼女を助けようと行動を起こす。 ○ベス・マッキンタイア ロブの恋人。ミッドタウンの高層ビルに住んでいる。 数か月前の喧嘩以来、ロブとの関係は悪化し、現在は新しい恋人を作っていた。 しかし、事件に巻き込まれ自宅で建物の崩壊により身動きが取れなくなってしまう。 ○ハッド ロブの友人の一人。 ジェイソンの頼みで送別会の撮影を担当し、その後の事件でも身の回りの様子をありのままに撮影し続けた。 リアルな、かつ貴重な記録映像を残せたのは彼の貢献の賜物と言えよう。 ○ジェイソン・ホーキンス ロブの兄。 弟のことを大事に思っており、面倒見がいい。 ○リリー ジェイソンの恋人の黒人女性。 ロブのことを実の弟のように思っているしっかり者。 ○マリーナ リリーの親友で、ハッドの想い人。 送別会にはリリーに誘われて来ただけで乗り気ではなく、ベスを助けに行ったのも巻き添えを食らってのもの。 地下鉄で小型生物に襲われ、凄惨な末路を迎える。 ≪怪獣≫ 名称不明。映像内の関係者は「あれ」と呼ぶ。 事件後は「クローバー」、「HAKAISHA」などといった俗称が付けられている。 海より浮上してきたと思われ、旧ニューヨークを壊滅に追い込んだ。 体長は推定100m以上で、高層ビルを倒壊させるだけの力は優に持つ。 戦車や戦闘機といった通常の現代兵器は通用しない。 白みのかかった灰色の体表に細長い手足、黒目のみの丸い眼孔に巨大な牙の生えた口を持つ。 頭部には気袋のような器官があり、両生類と爬虫類、哺乳類の合いの子のような外見。 人間を喰う描写があり、肉食と思われる。 ≪寄生生物≫ 怪獣の背中にくっついていたと思しき蜘蛛に似た小型生物。 非情に獰猛で、怪獣から剥がれ落ちると人間を襲う。 これに噛まれた人間は数時間が経つと顔から出血を発し、体内で爆発が起こり死亡する。 怪獣との共生関係は不明。 ≪事件の鍵≫ ○タグルアト社 戦後急発展を遂げてきた日本の海洋開発企業。 主に石油採掘を行っているが、宇宙開発に重工業、果てには飲食サービスにも手を伸ばしている。 2007年12月27日に北大西洋の石油掘削基地が謎の爆発事故を起こし、不信感を集める。 CEOは吉田ガヌ氏。 ○SLUSHO! タグルアト社が立ち上げた清涼飲料水ブランド。 自社の特製食材「海底の蜜」を使っている。 J.J.エイブラムス制作のドラマにも登場している。 ○ティド・ウェーブ 環境保護圧力団体。タグルアトに反発し、反対工作を行っている。 石油掘削基地爆破もこの団体によるものだと、タグルアトは主張している。 この映像に関する情報は以上である。 しかし、本映像資料をはじめとして複数の資料をもってしても「クローバーフィールド事件」の真相を掴むにはあまりに謎が多い。 何が起こったのかを知るのは政府関係者のごくわずかである。 引き続き調査が求められるが、現時点での資料は乏しく、新たな手掛かりが必要となる。 この記事を見た皆様も、是非真相を探求してほしい。 「クローバーフィールド事件」に関する新情報を知る方、追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- * * * + うそです n ∧_∧ n + (ヨ(*´∀`)E) Y Y * …という設定の上で製作されたハリウッドの怪獣映画。 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のように市民が持つ手持ちカメラの映像から撮影され、 「市民の視点から怪獣による街の破壊を見るとどうなるか」ということをコンセプトに製作された。 監督はマット・リーヴス、製作はJ.J.エイブラムス。 話題性を得るために偽の企業HPや偽のニュース映像をネット上にバラ巻き、多くのネット住民の関心を引き付けた。 ハリウッド版『ゴジラ』が残念な出来だったこともあって、多くの怪獣映画ファンに当初は期待されていた。 実際、「911」を反映したリアルな作風に高い評価を得ている。 『パシフィック・リム』や新ハリウッド版『ゴジラ』の後押しとなったことからも怪獣映画の新しい形として好評。 公開当時にはコミカライズとして『クローバーフィールド/KISHIN』が発表されていた。 こちらは日本が舞台で怪獣のバックグラウンドに独自の解釈が当てられたオリジナル漫画である。 続編として2016年に『10クローバーフィールド・レーン』、2018年にNetflixオリジナル作品『クローバーフィールド・パラドックス』が公開された。 しかし、これらの作品では「クローバーフィールド」という言葉にそれぞれ異なる意味を持っており、一見関連性はほとんどない。しかし、「モンスターが登場する」「タグルアト社が絡んでいる」ことは共通しており、総じて『クローバーフィールド・ユニバース』としてシリーズ化が計画されている。 (実はプロデューサーのJ.J.エイブラムスが全く異なる映画企画に『クローバーフィールド』のタイトル名を冠しただけという説もある。) 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ドキュメンタリー怪獣映画。 -- 名無しさん (2013-08-27 20 44 31) 怪獣映画ではパシフィックリムというライバルが出来た ってかやっぱり金のあるとこはいいなあ -- 名無しさん (2013-09-05 23 18 59) めっちゃ画面酔いして内容どころじゃなかった気がする -- 名無しさん (2013-09-05 23 42 51) これブックオフでこれのコミック版を読んだことがある。コミック版の世界観は映画と共通しているが日本が舞台で怪獣の正体がわかります。 -- 名無しさん (2013-09-06 08 32 10) 一市民の視点から怪獣映画を描くというのは新鮮だった。 -- 名無しさん (2013-09-06 09 21 59) 怪獣の体長は1200ft. 367m弱だぞ。しかも、あの時点で何万年も生きてるのにまだ赤ちゃんの設定だから驚く。 -- t.6t (2013-09-06 16 54 18) アニメのケロロ軍曹でもパロディされていたな。さすがに終始カメラ視点・手ぶれは再現できなかったけど(テレビアニメだから当たり前か)。 -- 名無しさん (2013-09-06 18 54 46) AVPの如くイェーガーvsHAKAISHAなんて映画が -- 名無しさん (2013-09-06 19 37 36) ↑身長差約5倍ってのはちとなあ、カテゴリー5以上じゃないか -- 名無しさん (2013-09-06 20 01 32) ↑4、俺は100mだと思ってたけどそんなにでかかったんか… -- 名無しさん (2013-12-21 01 50 37) コミック版の最後を見る限り、海底に怪獣の本体みたいなのが居て、怪獣は端末とか分身でしかなかった様な・・・ -- 名無しさん (2013-12-21 02 02 36) 子供が100m程度で親が367mってわけじゃないのか -- 名無しさん (2014-01-30 15 29 07) 続編はもう絶望的かな? -- 名無しさん (2014-01-30 15 43 02) タグルアトのCMとかはハリウッドの考える「変な日本」だったな -- 名無しさん (2014-03-19 00 44 29) 最後の観覧車のシーンで何かが海に落ちてるんだけどあれなんなんだろう -- 名無しさん (2014-08-13 01 27 27) 何でスティーヴン・キングのタグがついてんの? -- 名無しさん (2014-08-13 14 38 07) 続編あくしろ(願望) -- 名無しさん (2014-08-28 19 54 59) ↑3、怪獣の一匹が宇宙からやってきた瞬間じゃないかって言われてる。 -- 名無しさん (2014-08-28 20 41 30) サイズを考慮してもゴジラとやりあったら瞬殺だろ -- 名無しさん (2014-11-30 17 43 56) つぶらな瞳だな -- 名無しさん (2015-01-25 19 31 49) ゴジラを元にしてるから、かなりタフだったな。脚力も半端なかった。 -- 名無しさん (2015-03-14 22 56 48) シン・ゴジラの予告編で久々にこれを思い出したわ -- (2015-12-11 03 03 20) この映画の考察するのほんと楽しい -- 名無しさん (2015-12-19 16 45 58) 続編が作られるらしいな -- 名無しさん (2016-01-17 02 23 47) 脚の生えたクジラっぽい姿の怪獣が写ってる絵もあったけど、あれは何だろう。没案? -- 名無しさん (2016-01-17 02 56 16) ベスがしぶとすぎて正直笑ってしまう -- 名無しさん (2016-01-17 03 12 23) コミック版陳腐すぎて萎えた 道徳の教科書じゃねえんだから申し訳程度な適当派生作品やめてほしい -- 名無しさん (2016-01-31 02 49 29) 当時はこういう映画もあるんだなぁってすごく関心したよ。でも今作ってもそんなに受けない気がする。POVという形式の黎明期だったのもあるが、今じゃ動画サイトで自然災害の映像が幾らでも見れてリアルを体感できるんだから作り物のリアリティは受けないだろうなぁと -- (2016-01-31 03 11 52) ⬆いや、当初から映像手法「は」あまり評価されてないから。評価されたのは「怪獣映画でこの手法」ってのと「怪獣がしっかり怪獣してた」ってこと -- 名無しさん (2016-03-08 07 31 24) POVの黎明期とか何言ってんだと思ったら、本当にこれ以前にはRECとかパノラーマルとか数える程度にしかないんだな。ブレアウィッチから何してたんだよ。いまだにホラーにばかり使われるのが惜しい手法だ。 -- 名無しさん (2016-05-10 02 22 02) 続編やったところでなぁ... -- 名無しさん (2016-07-14 12 24 51) ↑×2 水曜どうでしょうもPOVの名作だと思うんですが(すっとぼけ) -- 名無しさん (2016-07-16 21 17 40) この映画の後に出た怪獣映画は「怪獣をいかに巨大に見せるか」にこだわるようになった気がする。いいことだ -- 名無しさん (2016-10-30 12 53 22) 凄く面白いんだけど俺は見たら絶対画面揺れでその後頭痛くなる、そんな映画 -- 名無しさん (2016-10-31 18 31 28) ジプシーデンジャー「さてハカイシャくん」ギャレゴジ「俺たちとちょっと遊ぼうぜ」 -- 名無しさん (2016-11-15 00 01 50) クローバーフィールドパラドックスでとんでもない方向に行っちゃったなこの映画… -- 名無しさん (2018-02-09 01 06 48) 名前 コメント
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【電磁人の韻律詩42~ラプラスの悪魔~】 原因があるから事象がある。 事象はすべからく原因と化す。 この物語の最初に述べた通り、それは自明のことなのだ。 不完全ながら私との契約を可能にした少女もそんな世の中の法則で動いているし、 この物語の主人公もそんな法則の中で動いている。 だが、世の中にはそんな法則を越えた理不尽が少なからずいる。 たとえば世界を征服したアレキサンダー たとえば日の沈まぬ国を陥落させたドレイク 不確定性原理を提唱したハイゼンベルク 全て私の能力を超えて力を発揮してきた人間だ。 ここで挙げてきた人間は歴史に名を残した人々ばかりだが、 当然歴史に名を残さなくても因果を越えた人間存在は居る。 それこそがこの物語の最後の敵。 前回の話より遡ること三日前、明日真は笛吹探偵事務所の前に立っていた。 自らを鍛えた上田明久に焚きつけられて、彼は上田明也に勝負を挑むことにしたのだ。 本来であれば明日を止めるはずの恋路が明日真との痴話喧嘩で居ないことも彼の無茶を支えていたことは否定できない。 「……よし、行ってみるか。」 上田明久は自ら笛吹探偵事務所に電話して明日が来る旨を告げていた。 同時に 「正面から真面目に戦わないとお父さん遊びに行っちゃうぞー」 と宣って明也を戦慄させていたので明日に上田からの不意打ちの心配は無くなっていた。 明日真は迷うことなく探偵事務所につながるエレベーターのボタンを押した。 「来たか、明日真。」 エレベーターの扉が開くと少女が待っていた。 赤毛の少女、橙レイモン。 ラプラスの悪魔の契約者。 「ってレモンか。所長は居るのか?」 「橙レイモンだ、今回の私は笛吹探偵事務所警備担当。つまりお前の相手だよ。 私を倒さなければ上田とは戦えないと思ってくれ。」 「いや、俺はあいつと戦いに……。」 「冷静に考えてみろ明日真、上田明久が出た時点で我らが所長は絶対に勝負に来ない。 彼の無茶苦茶さは君自身が最も知っているはずだ。」 「でもだからってお前が俺と戦うっていうのか?」 「ああ、それが上田明也が上田明久と会わないでお前との戦いを終わらせる方法だからな。」 そう言ってレモンは明日の背後に向けて指でコインを撃ち出した。 「あ痛ッ!」 「予測通り、息子が妙な真似をしようとしないか監視する為に来ていたか。」 「あ、明久さん!?何処に隠れていたんです?」 「私の能力の管理下から逃れうる人間は居ないぞ!」 「くっそ……、明也の奴良い仲間持ってるんじゃねえか。 隠れるのは別にちょっと昔戦った忍者の技を真似ただけだ。」 額に当たったコインの痕をなでさするサムライポニーテールの大男。 上田明久である。 彼は息子が自らの弟子に対して卑怯な手を使わないように見張りに来ていたのだ。 「ところで念のために聞いておこう上田明久。 私が上田明也と戦う前に彼と戦っても問題無いよな? なんせ私はこの事務所の警備担当な訳だから不審者を排除する義務がある。」 「だが俺のお膳立てした俺の息子と俺の弟子の勝負を邪魔する権利はないな。」 「ああ、だが始まらなければ勝負じゃないだろう?」 「お嬢ちゃん、何か勘違いしているようだが……。 それはお嬢ちゃんが俺より強くなければ成り立たない話じゃねえか?」 「何を言っているんだ上田明久。私とお前では役者が違う。」 「はっ、ガキのくせにこの俺に対して大口叩くじゃあ……」 「―――――ウォーリーを探さないで。」 そう言った瞬間、上田明久は明日真の前から姿を消した。 「やれやれ、何時までも若い気で居る老人というのは迷惑な物だよ。」 「…………嘘だろ?」 「これが現実だ、受け入れろ。」 明日真はレイモンと面識がある。 だが明日はレイモンが戦闘能力を持っているなどと思いもしていなかった。 だからあの圧倒的な強さを持つ上田明久を一瞬で消し去った彼女の能力に明日真はただただ驚いた。 「さて、次はお前の番だ。 抵抗しても良いぞ? どこかの探偵と違って私は容赦しないし優しくないからな。 侵入者が来たらすぐ排除、シンプルで良いだろう?」 「まて……!」 レイモンが指を鳴らす。 次の瞬間、明日真の姿はビルの中から消えた。 「……ここは?」 「私の能力で作った空間だよ。まあウォーリーを探せの一ページだが。」 ブリキの兵隊 黒髭危機一髪 五体バラバラになった兎のぬいぐるみ 目玉のとれたリカちゃん人形 マジンガーゼット そのどれもが巨大 何時の間にか明日真は巨大なおもちゃ箱の中に立っていた。 「私を一歩でも歩かせたら上田に会わせてやる。」 レモンはそこら辺に転がっていた人間と同じ大きさのBB弾を蹴飛ばす。 それが玩具の携帯電話にぶつかって携帯電話の上に置いてあった箱が倒れる。 その中に入っていた沢山のビーズが明日とレイモンに降り注ぐ。 「うぉ!?危ない!」 「安心しろ、当たっても死にはしない。」 ビーズと言っても当然巨大。 当たればそれなりに痛いし、打ち所が悪ければ怪我もするだろう。 だから明日真は必死でそれから逃げ回る。 「くっそ……!」 一瞬マイクロ波を撃とうとする明日。 だが彼女がまだ子供であるという意識が彼にそれを躊躇わせる。 次の瞬間、降り注ぐビーズの一つが明日の頭を直撃した。 明日は吹き飛ばされて熊のぬいぐるみにぶつかる。 「おいおい頼むぞ明日真。 仮にもうちの所長を倒そうという男がそんな事では困る。 私を倒さなくては所長も倒せないんだからな。」 「言われなくてもやってやる!」 マイクロ波の射出能力の応用。 明日はマイクロ波に変換する前の体内を巡る電流を使い、肉体を活性化させる。 強化された肉体で明日真は転がってくるビーズを飛び越えてレイモンに迫る。 「だがそれも想定済みだ。」 降り注ぐ大量のビーズのうちの一つをレイモンは懐から取り出したエアガンで撃つ。 カツン それはわずかに軌道を変えて熊のぬいぐるみに引っかかっていたビーズにぶつかる。 カツン そのビーズは転がって穴が空いた大きなビーズにぶつかる。 カツン そして大きなビーズは三角の積み木の上に乗ったスプーンにおちる。 すかさずレモンがブリキの兵隊が何故か持っていた子供銀行の巨大な十円玉を撃ち抜く。 それはブリキの兵隊の掌から落ちて下にある積み木の上に置いてあったスプーンの柄の部分にぶつかる。 シーソーのようにしてスプーンの上のビーズが空中を飛ぶ。 ―――――――直感 それが間違いなく自分に向いていると明日真は直感だけで気付いた。 彼は横っ飛びに飛ぶ。 「うわっ、危ないじゃねえか!」 「いやいや、危ないのはお前だよ明日真。 私にはなんでお前がそれを避けたのか理解出来ない。」 カツン 降り注いだビーズが穴あきビーズにぶつかってその軌道を空中で変えた。 「うわあああああああああああ!!!」 予想できない攻撃に、明日真は押しつぶされると思って目をつぶった。 「……あれ?」 明日真は辺りを見回す。 視界はピンク一色で染められていた。 彼は穴あきビーズの穴の中に嵌ってしまっていたのだ。 「まったく、これでチェックメイトか明日真? まあここで止めておけば無傷で帰れるぞ。」 「そんな訳無いだろ!」 「オーケー、じゃあ怪我して帰れ。」 そう言った瞬間、レイモンの近くに巨大ロボが倒れ込んでくる。 巨大なマジンガーゼットの超合金玩具だ。 「やっと来たか。」 それは丁度良くレモンの手の届くところにロケットパンチのスイッチがついていた。 そしてロケットパンチは丁度良く明日真の方を向いていた。 バネの勢いよく跳ねる音。 「うなーれー、鉄拳ロケットパンチ~。」 ロケットパンチが明日真の入っているビーズを撃ち抜いた。 「うぉわああああああああ!!!」 ロケットパンチのサイズが成人男性の拳骨くらいだとすると 明日真のサイズは現在成人男性の小指くらいである。 明日真はビーズごと簡単に吹き飛ばされた。 彼は既におもちゃ箱の底に全身を打ち付けてボロボロである。 しかしレイモンは戦闘が始まってから一歩も動いていない。 すでに勝負は付いていた。 「おや、もう駄目かな?生きてるか明日真?」 「………………。」 返事はない。 「うぉおおおおおおおおおお!」 突然、レイモンの後ろから明日真が現れる。 明日真はロケットパンチがあたって吹き飛んだビーズの中からこっそり逃げ出していたのだ。 そして明日真はそこら辺に落ちていた巨大なビーズを投げつけようとする。 「だがそれも予想済みだったけどね。」 レモンがエアガンで明日の手を撃ち抜く。 そしてビーズが明日の手から落ちた。 「これで潰されて……!?」 その時、レイモンの予知が外れた。 レモンの予知では明日がそのビーズに押しつぶされてその勝負は終わるはずだったのだ。 「ビーズはフェイント、本命は直接お前を捕まえることだよッ!」 レイモンには反応できない早さで明日が近づいてくる。 レイモンはエアガンで明日を撃とうとしたがそれも全て躱される。 「おっしゃあ、捕まえた―――――ゼッ!」 レモンは近くに有った剣の刺さった黒髭危機一髪の剣にエアガンを撃ち込む。 黒髭危機一髪が明日に直撃した。 「……思ったより危なかったかな。」 「く、そ……。」 明日真はそれ以上動けなくなってその場で気絶した。 次に明日が眼を覚ますと明日は家の前に投げ捨てられていた。 普段なら恋路が回収してくれるのだが今は諸事情の為彼女は家に居ないのだ。 「俺、あの子供にも負けたのかよ……。 俺の修行ってなんだったんだ……。」 明日真は大いに落ち込んで家のドアを開ける。 ドアをあけると何故か玄関にはスケ番風の金髪カチューシャお姉さんが立っていた。 「よう少年、大分落ち込んでるみたいじゃねえか。 そういえば磁力を使えばピッキングなんて楽勝だよね。」 「笹木さんじゃないですか。なにやってんですか。」 「家に上がれよ、お姉さんがお片付けくらいはしておいてやったぞ。 しかし少年がこんなエロ本読んでいたなんて……。」 「そこ俺の家です! ていうか何勝手に上がり込んでるんですか!」 「ジャンプでも良くいるだろう、押しかけ女房。」 「誰のせいで恋路が出て行ったと思ってるんです!」 「私は恋敵を追い出しただけだ、私は何も悪くない。」 笹木は明日より背が高い為に話そうとするとどうしても見下ろす形になる。 笹木の艶やかな唇が喋る度に揺れる。 だが明日はどうしても胸に視線が釘付けになっている。 とりあえず家に入らないとどうしようもないので明日は家の中に入ることにした。 ちなみにその頃の上田明久は 「ウォオオオオオオオオオオリィィィィイイイイイイイイイイイ! もっと戦えええええええええええええ!」 「うわ、こっちくんな!」 「あれがジャパニーズサムライ……。」 「お前ら逃げるぞ!」 「俺に構うな先に行け!」 「数の力で押しつぶせば勝てるって!」 「いや無理だから!」 「何あれ、無双乱舞つかってるよ絶対!」 「ていうか常に無総ゲージマックスなんじゃねえの!?」 「りょ、りょ、呂布だああああああああ!」 「おらおらお前ら奇跡の一つくらい起こしてみやがれ!」 「命だけは助けてえええええ!」 「駄目だああああああああああ! これでも手加減してやってるんだからもっと頑張りやがれええええええ!」 ウォーリーをさがせの世界の内部にいる偽ウォーリー達のほとんどを切り倒していた。 彼がウォーリーをさがせの世界を自力で破壊して出てくるのはこの十分後のことである。 【電磁人の韻律詩42~ラプラスの悪魔~fin】
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突発的に婚約が決まった御剣怜侍と狩魔冥の祝いの場は、保護者付きなら子どもの 入店も許されている居酒屋だった。ごく普通の個室の座敷だ。庶民的なのは、その日は 元々、御剣を除くメンバーが集まる予定だったからだ。 御剣は知らなかったが、冥は帰国すると成歩堂たちと会っていたらしい。舌の肥えた 冥に最初は緊張したが、B級グルメにも興味津々で気さくだという。 「レイジが知ったら高いお店に連れて行って貰えなくなるわ」と冥は箝口令を敷いて いたが、実にもって全くその通りだ。食事絡みの時だけは、細かく言えば支払いの 時だけは冥は「兄妹弟子」を主張するので奢らされていたというのに。 店に来る前、裁判を終えた御剣は、ロビーにて本日二度目の衝突があった。 帰国して裁判所に顔を出していた狩魔冥と、子どもの頃のような派手な口喧嘩をやったのだ。 長い片想いに疲れた冥が、話の流れでホテル生活と脈が無い御剣を待つのに飽きたとブチ切れた。 青天の霹靂、七歳年下の自分の師の娘に手を出す選択肢を持たなかった御剣は、望むならぜひ 一緒に住もうと上から目線で「同棲」を持ちかけたのだった。 一の勧誘に百の棘を持つ抵抗が返ってくると身構えた御剣の胸に、あの気の強い冥が泣き、 胸に飛び込んで来たのは驚きだった。困惑し宥めていると、口論のプロである現役検事同士の はた迷惑な痴話喧嘩をハラハラと見守っていたその場の関係者が安堵し、大きな拍手を持って 祝福してくれた。その最中は幸せな時間だったが、さらに時間が経った今では、公衆の面前かつ 自分たちの職場での失態故に半年ばかり職場放棄したい、いっそ海外に飛ばして欲しい……と 現実から目を逸らしたくなっていた。 「おめでとう……で、いーのかな。上手くいって良かったよ」 「成歩堂」 一度でクリア出来る期待はしていなかった。カンペキを求める狩魔の娘に対して、なんとも 見苦しい告白だ。御剣も最初は、「指輪が無い」「改めて夜景のきれいな場所で交際を 申し込め」等、落ち着いたら冥は徹底的にダメ出ししてくるに違いない、どう論破して くれようと迎え撃つ構えだった。 が、冥はまるで夢のようだ、お互い忙しいから式も旅行もいらない、しばらくは他の国の 仕事は断わると塩らしいことを言い……「同棲」ではなく、冥の頭の中は一足飛びに「結婚」 という、厳しい現実を突きつけられたのだった。 自分の人生で具体的に結婚を考えたことが無かった御剣は、酷く動揺したが後の祭りだ。 その後、冥は普段の彼女を取り戻していった。泣かれるならなじられる方がずっと彼女 らしくて安堵する。冥の怒りは自分を子ども扱いし、プロポーズを待っていたのに行動を 起こさなかった御剣に対しての恨みつらみで、一途に惚れられていたことを痛感した。 言葉は攻撃的だが、何を言われても可愛く感じる自分にも戸惑ってしまう。 それらのやりとりを思い出すと自然に笑みが漏れてしまい、御剣は慌てて咳払いで誤魔化した。 用事を済ませた、もう一人の主役が到着すると、歓声が上がった。 強制的に御剣の隣に座らせ、ニヤニヤと他のメンバーが祝いの言葉で取り囲む。 「プロポーズされて仕方なく受けた」「まだ若いし私はもっと後でも良かったのよ」などと 醒めた口調なので、ほっけを解す作業に集中するふりをしていた御剣は次々出てくる偽証に 吹き出すのを堪え、酸欠状態に陥った。 ――検事を見たら嘘つきと思え。 「式や指輪の相談は、次に帰国した時ですか?」 と霧緒が冥に尋ねる。冥は明日、別の国に発つからだ。後が怖いので御剣は何一つ省く つもりは無かったが、隣で冥が拒否した。 「いらないわ」 「えーっ、かるま検事、せっかくだし最初がカンジンなんだからたこ焼きくらいの指輪 貰っちゃおうよー。お宝はいくつあっても困らないし」 唆すような真宵の言葉に、冥は首を振った。 「レイジが私を選んでくれたっていう、その自信が私の宝石なの。これ以上飾る必要はないわ」 幸せそうに微笑む冥にその場の女子が悲鳴を上げ盛り上がり、過去散々鞭打たれて来た 男性陣はまるで人格の変わってしまった冥の発言に引き気味になっていた。 「悟りの境地の狩魔検事がなんだかブキミッス」 「イトノコ刑事、他人の婚約者をブキミとか言うな!……気持ちはわかるけど」 「安心したまえ。この私もキミたちに限りなく近い心境だ」 成歩堂たちと一緒の時は、冥は安酒も普通に飲むという。自分に奢らせる時は煩いほど 銘柄に拘るのにと御剣は面白くない。が、ワインやシャンパンのグラスを気取って口に 運ぶ彼女とは違い、楽しそうに焼酎や国産ウィスキーをロックで呷る男前な飲みっぷりは 気持ちが良く、惚れ直しそうだった。 お約束の「いつから好きだったか」の問いに、冥は「一目惚れよ」と即答した。 御剣の方は、初めて会った時の冥の印象は薄い。というのも、挨拶する御剣の顔をじっと 見つめた後、冥は無言で自分の部屋に消えてしまったからだ。 「王子様が我が家に来た!って、幼い私には大事件だったの。恥ずかしくて隠れたわ」 (第一印象から睨まれ、敵対視されてると思っていたのだが) 「目に浮かぶようだ……」 成歩堂は顔を引きつらせ相槌を打つ。小学生ですら女子が御剣を見る目は違かった。 鈍感・御剣の総スルーの天然タラシっぷりは、冥の場合も健在だったらしい。 「レイジは恥ずかしがり屋で、せっかく私が勇気を出してアピールしてるのに、検事に なる勉強で忙しいっていつも逃げてたのよ!」 想い出して憤怒する冥のその横で、御剣は一人、首を傾げてしまった。 (無言で背後から六法全書で殴られれば、逃げて当然ではないか) 祝いの席で異議を申し立てるのは大人気ないので、御剣は「その節はすまなかった」と 棒読みで謝っておく。偽証の裏づけ発言をしている気分だ。 「勉強の話題の時だけは話を聞いてくれたから、レイジを私に振り向かせたくて、 さらに私も勉強に力が入るようになったわ」 それは、彼女の力であって、自分は良い競争相手になっただけだ。感謝するとしたら、 御剣の才能を信じ育ててくれた師と彼女の家族にだ。右手にテディベア、左手に絵本 ではなく六法全書を携える七歳年下の天才少女の存在は常にプレッシャーだった。 あの非日常的で特殊な環境が、今の自分の下地を形成している。 「あ、あの。わたくし、みつるぎ検事さんのお話もお聞きしたいです!」 逃げるつもりだったのに、質問者が頬を赤らめた子どもの春美だったので出来なくなった。 御剣の回答に期待し目を輝かせる女子に下手なことを言えば袋叩きで、慎重に言葉を選ぶ。 「私は、見ての通り勉強と仕事以外の事は一切排して来た。潜在的にはおそらく、 メイが初恋の相手だと思う」 強引に、そういうことにしておく。脳裏に狩魔家で迎えたクリスマスの夜、冥に宿木の 下に引きずり込まれ奪われたファーストキスの記憶が蘇った。そのキスは拒めないという 風習を知らぬ御剣は憮然として、冥と口論になった。しかも、男女の条件が逆転して いるのだから、当時から今日まで御剣は全く成長がない。 再びテンションの上がった女子を横目に思考する。少なくとも、検事になった後も冥とは 滅多に顔を合わせる環境ではなかった。自覚したのは……今日だ。 (私が初対面で冥に惚れてたら犯罪だというのに、女性の気持ちは理解しかねる) テーブルの下で、冥の右手が御剣の膝に置かれた。グローブ越しで感触や体温は 伝わらないが、異性のそれを知っている身は、脱がせたい触れたい欲求に駆られる。 現在の冥は、左手に鞭、右手は甘い砂糖菓子だ。指を重ね返した御剣には軽く一瞥くれた だけでガールズトークに参加していた。計算ずくの行為にモヤモヤしそうになる。 この日の冥はたくさんの笑顔を見せ、酔い潰れ、御剣の膝で眠り込んでしまった。 いろんなことが一度に起こり過ぎて、御剣自身まだ実感が沸かない。一方的に冥が喋る ばかりで、殆ど発言せず来年籍を入れる話に決まっていたからだ。 一生独身でも何の問題も無いが、冥が相手なら逆らうよりいっそ流される方が楽だ……と、 冥に負けず劣らず、素直ではない自分に御剣は苦笑した。 ラストオーダーの時間になった。今後も当然のように部下の糸鋸の手を借りるつもり だった御剣は「婚約者なのに」「自覚は無いのか」と総攻撃を受けた。 自力で運ぶのは面倒なので、仕方なく起こすことにする。 薄目を開けた冥はぼんやりと御剣の顔を見つめ返し、目を凝らしていた。 「……夢、だったの……?」 悲しそうに冥が呟く。婚約のことを言っているらしい。 「プロポーズの話なら夢ではない。帰ろうメイ」 「……レイジ!」 寝ぼけているにしては力強く胸倉を捕まれ、冥が首に抱きついて御剣の口を塞いだ。 油断していたために、御剣は冥に圧し掛かるような体勢になりジタバタする。 「御剣検事、目に毒ッス!場所を弁えるッス!」 積極的になった冥はなかなか離れようとせず、その場でふしだらな何かが始まりそうに なるので、御剣は説得を試みた。 「ぐ。メイ、こんな場所で、そのようなアレは困る」 「ふふっ。照れてるレイジ、可愛い……」 酔いが醒めてない冥は御剣の手を自分の胸に押し付けて来た。元々年齢よりは大人っぽいが、 女の顔で自分を誘う冥に大人の御剣ですらドキリとさせられる。 クールな天才検事にはそぐわない情熱的、扇情的な振る舞いに「さすが海外経験の ある検事さんは大胆ッスー」とマコからも感心されてしまった。 「イ、イトノコギリ刑事……」 御剣がまとわり付く冥を引き剥がそうと助けを求めるが、 「正気に戻った後の狩魔検事の制裁が恐ろしいッス!」 醜態を見られたことを冥が知りどれだけ荒れるか。その想像で糸鋸は身震いしていた。 「な、成歩堂……」 「悪いけど眠った春美ちゃんが背中にいて手が離せない。……帰ろう、真宵ちゃん」 「えーなるほどくん、おもしろそーだよ。無料だし」 「真宵くん!これは見世物では無いッ!」 二人の邪魔をしてはいけないという遠慮なのだろう。「不要だ、そんな気遣いは不要だ!」 という御剣の必死の訴えは却下され無視されてしまった。 「おやすみ御剣。今日はお祝いだから、ぼくらからの奢りだ」 「失礼するッス」 「おやすみなさいッスー」 「指輪はゼッタイですよー、みつるぎ検事」 「末永くお幸せに」 彼らの声が遠ざかっていく。この日は恥をかき倒す運命だったのかもしれない。 いつのまにか、御剣の下で冥が静かになっていた。さすがに暴れ疲れたらしい。 冥の証言は御剣の視点ではムジュンの塊だが、もし冥が被告人なら検事側ではなく あの時と同じように弁護側に回り、冥を信じ抜いてみせよう。 自分が冥を口説き落として花嫁にするという「真実」も悪くない。 「帰るぞメイ」 念のため声をかけたが、「うるさい」と怒られた。本来の冥だ。 起こすのは可哀想だし、担ぐなり抱えるなりしてタクシーを使うことになる。それは 構わない。新たに抱えることになった問題は、中途半端に冥から誘惑されたお陰で、 御剣は部屋に連れ帰り大人しく一人で寝るのは不満だという現実。 大人の自分を挑発し弄んでくれたこの小娘に、お返ししないと気が済まなかった。 裁判、口喧嘩に続き、本日三本目の勝負。最初がカンジンだ、と真宵も言っていた。 (今夜はこのまま平和に寝てられると思うなよ、狩魔冥) フィアンセという立場になった妹弟子に対し、御剣は心の中で挑戦状を叩きつけるのだった。 おわり
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弾ける光球から現れたその姿は、人々からすれば、白き鋼の鎧に太陽の如く光り輝く雄雄しき翼を携えた、 まさしく混迷の大地に神が遣わした太陽の戦神そのものであった。 「・・・すげぇ、なんだ、ありゃ・・・? つかあれランスロットじゃね?」 「お前の言うことは偶によく分からん」 「あれって・・・ロボット? でも、他のに比べると随分小さい・・・」 「でっかけりゃいいってもんじゃない! っておねーちゃんがいってるの」 「ええ・・・それは、まごう事なき真理真実ね」 「何の話をしている? ともかく、もう少し逃げたほうがいいだろう。幸い敵の注意はあれに向いている」 「だな、後はアレに任せるとするか」 天より舞い降りた戦神の中では軽い痴話喧嘩が発生していたが、それもひとまず沈静化。 「でだ麟音、大丈夫か?」 「ええ、もう大丈夫。それよりも、この状況は」 「どう見ても、やったのはあの黒いロボどもだな。どう見てもMMMICSじゃないし、マシンゴーレムの類でも なさそうだ。ソーレッタ、生態反応は?」 <むむむむ・・・うむ、わかったのです! コアチップCPUからの命令伝達と処理解析速度向上のために おそらくはクローニングで大量生産した脳神経組織を使ってはいますが、定義上は無人です!> 「ちっ、ドイツ語読みの17・18じゃあるまいに、どんな糞野郎が考えた制御法だっての。そりゃ確かに 人の頭脳を100%使って並列化すりゃCPUにゃ勝ち目は無いとはいえ、だったら作って混ぜりゃいいだろって」 「汚らわしいにも程があります。宗次君、やってしまいましょう」 「だな。どうやら向こうもやる気みたいだし・・・学園に飛んでた頃以来か、MMMICS以外と戦うってのは。 だがもういい加減ゴーレムとかドラゴンの相手は勘弁してくれよなぁ!」 光の翼をはためかせ、鋼鉄の戦神が黒き巨人へと飛翔する。 <突然何事かと思ったけれど、そんな精々6m程度のロボットがいきがった程度で、何が出来ようと いうのかしらねぇ? やってしまいなさいジュ・ゲイム!> ジュラフマーより高らかに響くファウストの声に従い、ジュ・ゲイムの一機が白いロボットへ立ち向か 「遅い!」 白き戦神は輝く光の矢と化し天を翔け、腰に据えた翼状刀を抜き放ち、ジュ・ゲイムを一閃の下に両断する。 「まずは一体! ・・・つか、どんだけヤワい装甲使ってんだ? 合金トイよりヤワいって・・・そうか、 さすがに1000年前じゃ重粒子合金系やナノメタルマテリアルの類は作れないのか」 <な、い、一撃ですって!? ・・・た、たかだか一機倒したくらいでいい気にならないことね! それにその速度、どうやら音速以上のようだけれど、どこまでソッチの体が持つかしらねぇ?> ファウストFはジュ・ゲイムの群れを散発的に襲わせることで、パイロットの気力と体力を削ぐ戦術に出る。 だが、宗次にはその程度の戦略など意味がない、むしろチャージのためには好都合。 デカブツの中の人には残念なようだが、このディヴァイザーはマッハ5を想定して機体強度を設計しているし、 コクピットブロックの慣性制御機構もそれに準じたものを備えている。 それにこちとら「瞬転」のESP持ち、速さに関しては生涯一度も苦になるような場面に出くわしたことはない。 さて、そいじゃいい具合にあったまってきたし、そろそろ一発かましてやりますかね・・・ 「ソーレッタ、WBDチャージ効率算出!」 <はいな! WBD充填量、問題ナッシングです!> 「よっしゃ、やるか!」 両腰の翼状刀を手にし連結、腕部グラビティワイヤーのアンカーに固定し、投擲の要領で勢い良く振り回す! 唸りを上げて風を切る刃はやがて「波動」の停滞により固着された重力子と、それに引き寄せられた 光子の収束により眩い輝きを放ち始める! 「光牙の舞、烈光の刃、避けられるものなら避けてみな! ウィング・ブレイダー・ディバイド!!」 高速旋廻する光纏う刃が、暗雲を切り裂きジュ・ゲイムの円環の群れに食いつき、そのまま一気に円周上の 機体群を爆砕し突き進む! 次々に爆散するジュ・ゲイムを遠目に見つつ、 <そ、そんな馬鹿なことが・・・30機のジュ・ゲイムがこんな一瞬で・・・!?> ファウストは驚愕する。 自分が作り上げた現在のボディでもあるこのジュラフマーもそうだが、ジュ・ゲイムも、単機であらゆる任務を 遂行するために知りうる限り最高水準の知識と技術をつぎ込んで完成させた逸品であることに違いは無い。 そんな我が手足となるべき存在が、かくも容易く破壊されるものなのか・・・!? 否、そんなことが断じてあるはずがない! <行きなさいジュ・ゲイム! あの喧しい虫を叩き潰してやりなさい!> 近接戦で両断あるいは赤熱爆砕された5機、今の攻撃で30機をものの10分足らずで失い、残る15機の ジュ・ゲイムに命じるより他無い。ジュ・ゲイムで時間を稼いで、収束荷電粒子砲でこの世界から跡形もなく 消し去ってやる・・・! 「ソーレッタ、残りは?」 <小さいほうが15機と、あとデカいのが荷電粒子砲のスタンバイを始めてるようですよ?> 「荷電粒子砲? 今更あんな500年前にフォトンブラスターに取って代わられた骨董品で何を、って ココじゃ最新以上の武器なのか・・・とはいえ撃たれたら俺らは無傷でも地表面が面倒になるな」 「それに、あの巨体は普通に倒したんじゃ、落下時点で被害を極小にするのは難しいわ。小さいほうなら 必要以上にダメージを与えて破壊するかレッド・インパクターでどうにかなったけれど」 「だよなぁ・・・なぁソーレッタ、あのデカブツ確実に消すにゃ、やっぱ70は要るよな?」 <アーカイバのSGN射出ログとシミュレート、敵さんの推定質量からすると、やっぱり70は欲しいですねぇ> 「となると、専念すべきか・・・すまん麟音、ユーハブコントロール」 「畏まりまして。アイハブコントロール」 「メインシートはSGNチャージモードへ移行。ESP SEED、Break Out!」 宗次の全身を金属繊維と特殊金属で出来たメタルフルコートが被い、右腕も特殊金属製のガンドレットが 装着される。それと共にSGSドライブ及びHSLの臨界駆動パラメータ値やESP充填度パラメータ等が表示された ホロパネルが多数展開される。 「私の役目はあくまでも時間稼ぎにてございますれば。麒宮 麟音、参ります。麒宮流薙刀術の冴え、 遙かに古の世にも知らしめて差し上げましょう」 ジュ・ゲイムを大量に爆砕し帰還した翼状刀は、収納された柄が伸びてそのまま双刃薙刀となる。 SGSドライブが唸りを上げ、HSLが周囲に拡散する魔素を吸い上げ始める。 <推力が落ちた・・・? ふふ、どうやらさっきので著しくエネルギーを消耗してしまったようね? ですが残念、こちらにはまだまだ駒はあるのよ!> 「品性の無い人と話すほど暇ではありませんので、静かにしていていただけますでしょうか」 さらりと言ってのける麟音はディヴァイザーを駆り、流麗乱舞。 ESP技能により機体性能を100%発揮できる宗次と違いあくまでもチャージモード時の防衛用でしかないが、 元々の機動性能の高さや柔軟性は、麒宮流薙刀術を扱うには申し分の無いレベルである。 さらに麟音は薙刀を使わせたら文字通り右に出るものは居ない、史上最年少免許皆伝の名誉を受けた逸材。 となれば、二人にとっては時代遅れのジュ・ゲイムに遅れをとることなどありはしない。 「せぇい! まずは一体! ・・・宗次君、どの程度時間を稼げばよろしくて?」 「70まで上げるとなると、そうだな、5分くれ!」 「心得ました。5分で14体、何とかなるやも知れませんわね」 麟音はディヴァイザーをジュ・ゲイムの群れに向かわせる。 その戦い、舞うが如し。ジュ・ゲイムはディヴァイザーに触れることすら叶わず、次々と爆砕する。 「申し訳ございません、私では下に被害が出ないように倒すのは難しいので、せめて人の居ないところに」 人気の無い場所を目視確認した上で、そこにジュ・ゲイムの残骸を叩き落していく。 <SGSドライブ及びHSLの臨界突破値180、グラビトロンチャンバー1への光子充填量250を突破。放射口開放、 余剰光重力のスラスター及びPMWへの転換を開始します> 「やっとこさ50、もうちょい頼む!」 「お任せあれ!」 背部ウィングの光がさらに光度を増し、煌きが戦場を駆け回る。 「・・・おいおい、MAPWに気力連動特殊機能持ちか? 大概だなありゃ」 「言ってる意味はよく分からんが、とりあえず凄い事なのだと言う認識で居ればいいわけだな」 「にしても、最後の最後、一番オイシそうな出番盗られちまったなぁ・・・」 既に蚊帳の外と化した翠や苓達は、戦場を離れつつ天上大決戦を見守る。 <ジュ・ゲイム、全滅・・・!? まぁいいわ、時間稼ぎは出来たわ!> ジュラフマーの腹部シャッターが開き、複数設置された砲門が中央部に集約される。 <ざぁんねぇん! 遅かったようねぇ! さぁ、これでも喰らいなさい!> 意気揚々と砲口を白いカトンボへと向け、高らかに勝利を確信し吼えるジュラフマー。 「ソーレッタ、蓄電量から推定照射距離、照射時間の算出と弾いて一番被害の出ない角度を算出!」 <あいあい!> <さぁ、消し飛びなさぁい! 収束荷電粒子砲、発射ぁ!> 現行世界の化学工学では明らかにオーバースペックな、必殺とも言える破壊の閃光が、今放たれる! 「麟音、アイハブ! それが・・・どうしたぁあああああああああああああああ!!!!!!!!」 排気口とPMWから黄金の閃光を迸らせ、翻る翼が破壊の閃光を打ち据える! 「うぉおおおおおおおおおおお! っらっしゃあああああああああああああ!!!!!」 黄金色の翼に激突した荷電粒子砲は、その牙を何にも突き立てることなく、電荷の自然放電と拡散により 一切の用途と果たすことなく消滅する。 <そん、な、ばかな・・・荷電粒子砲を弾き飛ばすなんてそんな> 「時代遅れの骨董品ごときで、俺達を如何にか出来ると思うなよ!」 <それなら、圧倒的かつ絶対的な質量差で押し潰してやるわぁあああ!!!> 推力100%で驀進するジュラフマーと、それを静止し待ち受けるディヴァイザー。 推進の勢いに、300tを超える質量が乗り、ジュラフマーの拳が発揮する威力は、直撃すれば荷電粒子砲と 遜色ないだけの破壊力を秘めている。 <この一番単純で粗暴ながらも確かな破壊力、その身でとくと味わい> 「んなもん効くかよ!」 全高以上の大きさの拳の接近を、タイミングを合わせた払い腕で弾き飛ばす! <ばかなぁあああああああああ!? そんな細い腕でそんな、ありえない!?> 「大図書館の隅っこにあった本で覚えたスキルだが、まさかまた役に立つとはなぁ!」 腐女子の巣窟と化していた大図書館の片隅で、とある学園生の父親にしてあの世界で最も凶暴かつ恐ろしい 魔女王の旦那が執筆したらしい学術論文やら、半分ライトノベル気分で読んだ歴史書やら、意味もなく 読んでみた魔道書やらと一緒にあった、「私のいい考え百選」とかいう本に載っていたので冗談半分で 頑張ってみたらホントにどうにかなってしまった「大きさの概念を棄てる」スキル。 ドラグガドリウムとの戦いで大いに役立ったスキルだが、今またこうして役立てる機会が来るとは。 「中の人はデフォでサイズ差補正無視持ちか・・・」 「またよくわかんない単語が出てきた・・・バカ兄、ゲームのしすぎじゃない?」 至極分かりやすい単語も、知らない人からすれば何のこっちゃである。 「さて、そろそろ終わりにしようか! SGS及びHSLオーバードライブ!」 全身から黄金の闘気を巻き上げるが如くに光子を噴き放ち、瞬間、ジュラフマーに肉迫、 「おおおおおぉぉおおおおおぉぉ!!!!!」 ディヴァイザーの拳と蹴りがジュラフマーを打ちのめし、 「次はこいつだ!」 翼状刀を両手に構え、蹴り飛ばしたジュラフマーに追いつき、その全身を駆け巡り切り刻み、 「連結ランサーモード、麟音、ユーハブ!」 「アイハブ! はぁぁああああああああ!!!」 切り上げ上空に叩き上げた巨躯を薙刀が織り成す流星の舞が襲い、 「ウィンガーモードへ! ユーハブ!」 「アイハブ! WBDと同時に脚部パイルバンカースタンバイ、地表面に向けてアンカー射出!」 上空高く、満身創痍のジュラフマーへ倒滅の光刃が迫ると同時に、ディヴァイザーは地上へ急降下する! 「対ショック備え! 麟音、舌噛むなよ!」 麟音が頷いた数カンマ秒後、爆音と共に地上へ降り立つ。 <な、ぐ、一体、何を、するつもり・・・!?> ロールアウトしてからまだ3時間と経過していない、なのになぜこの至高にして究極の機械神ジュラフマーが これほどまでに損傷しなければならない!? 既に損耗度は70%を越え、稼動限界損耗を上回っている。宙に浮いていなければ自重で潰れていても おかしくは無いレベルにまでこの機体を損壊させられるなど、あっていいことではない! 何故だ! 「知識」の宝珠から引き出したデステクノと世界各地の最高水準の頭脳を結集、あるいは知識のみ 吸い出させて結集させた現在人類の英知の全てをつぎ込んだ筈のこのジュラフマーが、何をどうしたら あんなカトンボ風情にこれほどまでに破壊されねばならない!? <こちらもただやられていたわけではなくってよ! 荷電粒子ほ> 「サイキック、ウェイィィィィィブ!!!! ってなもんだぁ!」 両腕にインパクターガンドレットを展開、敵を拘束する「波動」のESPを打ち込まれたことで、ジュラフマーは 完全にその行動を封じられる。 「ソーレッタ、標的の高度算出! 5000越えてるかどうかだけでいい!」 <あいあい! 現在敵さんの高度は5380±10、黒雲突き抜けなおも上昇中!> 「オーライ、んじゃ、対ショック閃光防御! アイカメラシャッターON、照準、トリガー!」 <いえっさ! 準備万端整いまして!> 「フォトングラムシリンダー展開、パベルノン・クラスター開放、Gチャンバー1射出シークエンスへ移行! 旅立て、星生まれ出ずる輝きと無限の虚空の彼方へ! 光子超重力爆砕太陽砲(ソル・グラヴィトン・ノヴァ)、ぶちかませぇぇぇぇえええええええええ!!!」 宗次の雄叫びと共に引き絞られたトリガーに合わせ、胸部から漆黒のエネルギー体が極超音速で、 ジュラフマー目掛け一直線に撃ち放たれる! <そんな単発弾ごとき・・・な、なにこのエネルギー量、まるで> ファウストF、ならびにジュラフマーの思考はそこで絶える。 極大音の爆砕の中にジュラフマーは完全無欠なまでに破壊され、光子の高濃度圧縮と衝撃破砕による 地を焼き尽くすほどの熱量と直視した者の眼を焼き尽くす閃光、耳を突き抜ける爆砕音、その全ては 一拍明けて空間を割り開かれた虚空の顎へ飲み込まれ・・・一陣の烈風のみを残し消え去る。 烈風は立ち上る戦火を吹き消し、黒雲を吹き飛ばす。 黒雲吹き去り再び開かれた空。 動乱の終結を祝福するかのごとく、ベルリンの町を、赤々と曙光が照らしていた。 「ふぅ・・・ひとまず終った、か。さてどうすっか」 <ひとまず極東共栄圏諸島政府、じゃなかったこの時代だとニッポン、ですかね? そこに行くのは どうでしょう? この時代ならマスターが良く行く神田の特別閉鎖区も普通の町並みですよ!> 「そういえば、この時代には2937年の対火星動乱で沈没したオキナワ島は健在で、G兵器の直撃の余波で 閉鎖された地域も、極普通の街なのよね?」 「ま、それに俺らが生まれる1100年前、でないかも知れんが、とりあえずは故郷のようなもんだ。ひとまず 行ってみることにしようか。ソーレッタ、各所チェック、クールダウンまであとどの程度掛かる?」 <あと580秒といったところです。とりあえず普通に稼動するのであれば問題ないのですよ~> 「よし、じゃ、そろそろ行くか。長居は無用、変に絡まれるわけにもいかんしな」 ディヴァイザーは再び飛翔、瞬く間に暁紅の中へその姿を消すのであった。 人々は、閃光と共に現れ、太陽の如き輝き纏い悪鬼を打ち倒したその鋼の戦神を、神が遣わした 神聖なる機動戦神、Divine Weapon と呼び語り継いだと言う。